3D上映なのですよ、これ。
アクションシーンなんかなかなか凝ってて、それなりにおもしろかったんですが、でもやっぱり原作がコミックだともう一つ深みが足りないというか何というか……人間の描き方が表面的で掘り下げが足りない感じは否めないのですよね。いい役者をたくさん使っているのでそれなりに雰囲気は出ているのですが、どうしても原作の底の浅さが足を引っ張っている感じ。コミックとして読めば深いのでしょうが、映画として鑑賞した時には物足りない。「ヘルシング」を実写化したらどうなるか想像したらきっとこんな印象になるのでしょう(物語は全然違いますよ)。
とても綺麗な物語ではあるのですが、その綺麗さが上っ面をなぞっただけのもののように見えてしまうのが難点。しつこいようですが、コミックで読んだなら感動したと思うのですよ。基本、こういう話、私は好きなのです。
でも何かが足りないのよね~~~。
何が足りないのかと問われれば、それはやはり人間性の本質なのでしょうね。
同じ監督主演だったら「レギオン」の方がずっとおもしろかったです。
ポール・ベタニーの演じている役、性格はまあ言ってみれば全く同じなんですが、「レギオン」だとそれが天使なんですよね。天使ならば納得できる性格であっても、それが人間となるとやっぱり人間離れして見えるわけで。その辺、見る側の持っているイメージも大きく影響するのでしょうから一概には言えない訳なんですが。
まあ、あと、足りないのはユーモア。笑いかな?
全体的に生真面目すぎて、見る側も肩の力を抜く余裕もなく緊張感を強いられたままになるので、ちょっと緩急に欠けるというか単調になっちゃうんですよね。本来とてもおもしろい作品なのにそのせいでちょっと損してるみたいで、それがちょっと残念。
3D作品としてはきちんと作られていますので、アクションはバッチリです。ヴァンパイア映画にふさわしく美男美女もたくさん出てきますので、そのスジ(どのスジ?)の方は要チェックです。