29人のフラガール、震災から全国124か所を周りとうとう福島に凱旋!涙、涙の観客700人が祝福!
シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)
>10月1日に営業再開した福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズで夜、名物のスパリゾートハワイアンズ・ダンシングチームによるグランドボリネシアンショーが半年ぶりに行われ、約700人の観客が涙と拍手でダンサーたちの凱旋を祝福した。
映画『がんばっぺフラガール!~フクシマに生きる。彼女たちのいま~』場面写真
ダンスチームは同施設の前身・常磐ハワイアンセンターが昭和41年(1966)にオープンする際、廃れていく炭鉱町と家族の生活を支えるために少女たちが立ち上がって結成したシンボル的存在。彼女たちの奮闘は、松雪泰子主演で映画『フラガール』となり日本中に感動を呼んだことは記憶に新しい。
しかし3月11日の東日本大震災で施設は休業に追い込まれ、ダンサーの多くも自宅が震災の被害を受けたり、福島第一原発事故の影響で避難勧告を余儀なくされたという。しかし当時のメンバー29人は全員無事で、4月22日には練習を再開。4月26日には例年より1か月遅れで付属の常磐音楽舞踏学院の卒業式・入学式が行われ、6人の新メンバーが加わった。
だが施設は4月11日にいわき市を襲った震度6強の地震で大きな被害が出たために、当初夏予定だった営業再開は大幅に遅れることに。その間、ダンサーたちは震災復興を願って5月3日から「フラガール全国きずなキャラバン」と題し、26都道府県の124か所で計245回の公演を行なってきた。そして部分的な営業再開とはいえ、ようやく迎えることが出来た凱旋公演に、特設ステージ「きずなアトリウム」には「お帰りなさい!We Love フラガール」の横断幕が掲げられ、彼女たちのダンスを待ちわびるファンで会場は早くから人でごった返していた。
そしてやってきた20時10分。ステージに華やかなフラの衣装をまとったダンサーたちが現れると、あちこちから「おかえり!」の大声援が飛んだ。チームリーダーのマルヒア由佳理が代表であいさつに立ち「全国を回って、私たちには多くの方たちの支えがあると感じました。以前よりもさらに楽しい場所として、たくさんの方たちにこれからも笑顔を届けたいと思います」と決意を語ると、観客から歓声と大きな拍手が沸き起こった。
その声援に応えるかのように、ダンサーたちはエレガントなフラダンスから情熱的なタヒチアンダンスまで約50分間にわたって華麗な踊りを披露。彼女たちの気迫のこもったダンスは観客をさらに魅了し、アンコールまで起こった。
彼女たちの全国キャラバンに約4か月間密着したドキュメンタリー映画『がんばっぺフラガール!~フクシマに生きる彼女たちのいま~』の小林正樹監督は、この日もステージ後方でカメラを回しながら凱旋公演を見守っていたが「今日はお客さんの熱気が本当にすごくて、おかげで良い映像が撮れました。でも誤解しないで欲しいのは、彼女たちにとってはこれで終わりというワケではなく、ここがすべての始まり。今日が彼女たちの(再出発への)第一歩なんです」とダンサーたちの心情を代弁していた。
映画『がんばっぺフラガール!~フクシマに生きる。彼女たちのいま~』は10月23日の第24回東京国際映画祭でのワールドプレミア上映後、10月29日に全国公開。