アカデミー賞、そのつぶやきが命とり!ソーシャル・メディア規制!「名指しでライバルにネガティブなコメントをすると会員資格剥奪」
シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)
>このほど米アカデミー賞協会本部より発表された第84回アカデミー賞対象・候補作品PRに関しての厳しいお触れ書きは、数日経過した現在もなおハリウッド業界内でのメイン・トピックとなっている。以前からアカデミー側は授賞式に際して、候補作品のPRに関してガイドラインを示してはいたものの、今回の改正条項にはここ数年大人気のソーシャル・メディアも含めたエレクトロニック・メディアと呼ばれるメディアの使用ルールについても事細かに記されている。
本場アメリカにおいては、ツイッターやFacebookでのやり取りが日本よりも盛んだ。ここ数年アメリカでツイッターが人気となるに従い、オスカー合戦においてもツイッターの瞬時の影響力が重要視され始め、映画の広報で多大な威力を発揮しだしたばかりでなく問題も拡大し始めた。
日本では宣伝活動においてライバル会社同士がお互いのブランドを名指しで軽んじること、例えば、E.T.がコカコーラではなくペプシコーラと書かれた自販機をお土産に持って帰ったり……などのCMネタは自主規制しているが(こういう直接表現のユーモアは日本人の感性に合わないという部分もある)、アメリカの宣伝には何でもござれ的なところがあり、規則がなければやったもの勝ちという部分もある。今回、アカデミーから発令されたアカデミー賞争いにおけるツイッターやFacebookに関してのルールはある意味では、「相手をそしるべからず」という一般常識を文にしたものである。だが、こうして正式に活字にして発令しないと万が一何か問題が起きたときに、「アカデミーのルールブックに禁止事項として載っていなかった」と逆ギレしてアカデミーを反撃してくるスタジオもなきにしもあらずなため、このように罰則のついた厳しいルール改正になったと思われる。
ちなみに、アカデミーが施行した改正規則を抜粋すると、「広告、ウェブサイト、Eメールはもちろん、ツイッターやFacebookなどのソーシャル・メディアにおいてアカデミー賞候補作品や人物に直接関係のある人間が、名指しでライバルの作品や人物に対するネガティブなコメントを流すことは厳重に禁止とする。アカデミー会員がこの条項を破った場合は初犯の場合1年間の会員資格失効、初犯以降は会員資格剥奪に処する」というもの。
日本でもソーシャル・メディアは大人気でツイッターもブームだが、それに比例してセレブのウッカリ発言が公となり発信者のキャリアに影響を及ぼすまでの問題に発展したケースもある。ハリウッドの関係者たちも新たなアカデミーの規則を前にしてツイッターの使い方には少々ビクビク。アカデミー賞バトルを前にして、「まるで地雷があちこちに埋まっているところを歩いていく気分だ」と嘆いている関係者もいるくらいだ。つぶやき方を一歩間違えば、大切な候補作品が失格扱いにされる可能性もある。まさに口もツイッターも不用意に使うと災いのもとである。