ぴあ映画生活 より(以下一部抜粋)
>斬新な設定と衝撃的なクライマックスで、今なおSF映画の金字塔として名高い『猿の惑星』。その後、世界的な大ヒットを受けてシリーズ化され、その世界観は拡大した。そして2011年。誰もが知りたかった「いかに猿が人類を支配したのか!?」の謎を明らかにするのが、シリーズ最新作『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』だ。
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現代を舞台に、アルツハイマー治療薬の実験台として、遺伝子操作され、高い知能を手にした一匹の猿が仲間を従え、人類に反旗を翻す過程がダイナミックに描かれる本作。全米ではすでにシリーズ最高興収を記録し、批評家のレビューも軒並み高評価。シリーズ最高傑作の呼び声も高い。
優れた遺伝子を受け継いだ主人公の猿同様、本作には『猿の惑星』シリーズへのオマージュが満載だ。そこで一説には20を超えるといわれるオマージュの一部を紹介しよう。
特に注意深く見てほしいのは、研究所のテレビに映し出されるロケット発射のシーン。このロケットに乗っているのが、他ならぬ第1作『猿の惑星』の主人公であるテイラー(チャールトン・ヘストン)ら3人の宇宙飛行士なのだ。最新作ではロケット発射の数日後に、「宇宙船、行方不明?」の見出しが躍る。ロケットがたどり着いたのが、時空を越えた猿の惑星=地球だったことは言うまでもない。オマージュという意味合いを越えて、最新作と過去シリーズを結びつける重要なリンクとして、見逃せないポイントだ。
最新作では違法に監禁された猿たちが、収容所所長の息子であるドッジ(演じるのは『ハリー・ポッター』シリーズのドラコ役でおなじみ、トム・フェルトン)に虐待を受けているという設定。猿たちがホースから激しく水を浴びせられるシーンは、第1作『猿の惑星』にも登場する。もちろん、猿と人間の立場が逆転し、ヘストン演じるテイラーに水がぶちまけられるのだが。また、ドッジは猿に囲まれた環境で「こっちの頭がヘンになる」「その汚い手をどけろ」という台詞を発するが、これも第1作でテイラーが猿たちに言い放つ言葉である。また、主人公の猿であるシーザーという名前は、『猿の惑星 征服』で猿たちの革命を率いたリーダーと同じ。最新作に登場する猿たちの名称は、過去シリーズに登場する猿や俳優に由来している。
『…創世記(ジェネシス)』にはこれ以外にも、数多くの旧作オマージュが散りばめられている。コアなファンでも1回見ただけでは、すべてを発見することは難しいはず。一方、『猿の惑星』シリーズを知らない観客には、ぜひ最新作を入り口にループ状に広がる『猿の惑星』ワールドを満喫してほしい。
『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』
10月7日(金)、全国ロードショー