cinemacafe.net より(以下一部抜粋)
>第二次世界大戦の開戦に揺れる1941年のアメリカで誕生した、伝説のヒーロー「キャプテン・アメリカ」。アイアンマン、ハルク、ソーと数々のヒーローを生み出してきたマーベル・コミックの“原点”とも言うべき男が、満を持してスクリーンに登場する。明日より公開される映画『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』で、星条旗をモチーフにした衣裳をまとい体当たりで挑んだのは、同じくマーベルから生まれたヒーロー集団『ファンタスティック・フォー』で存在感を示した、クリス・エヴァンス。この伝説的“ヒーロー”を、いかにして自らのものにしたのか? 話を聞いた。
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「多くの人が(本作を)期待していたから、かなり不安だった」。“ヒーロー”に抜擢された気持ちを率直に話すクリス。半世紀以上にわたり愛されてきたキャラクターを演じるプレッシャーの大きさは言うまでもない。
「『キャプテン・アメリカ』と(本作に続く)『アベンジャーズ』で6本の映画と、かなりの量になるのが分かっていたから怖かったんだ。その不安と折り合いをつけるには、1日1日を着実にやっていくしかなかった。自分がこれを選んだという事実を受け入れないといけなかった。『いいかい。ぼくがこれをやりたがったんだ』ということを受け入れないとね。自分が選んだことなら、あまり文句は言えないよ」。
冒頭で登場する主人公・スティーブは、とても戦えそうにない、白くか細い青年だ。その病弱体質のせいで兵士として不適切とされるが、軍の極秘計画「スーパーソルジャー実験」により、超人的な身体能力を備えた“キャプテン・アメリカ”へと生まれ変わる。このたくましき体を作り上げるため、クリス自身約3か月にもわたる体づくりに取り組んだ。
「かなりのワークアウトをこなしたよ。僕はそのときボストンで映画を撮影していたんだけど、ロンドンからトレーナーがやってきて、毎日2時間ぐらいワークアウトをしていたね。それと、とにかくたくさんの食べ物を食べていた。常にプロテインを取るように心がけていたよ」。
実は、原作についてあまり馴染みがなかったというクリス。厳しい体づくりに加えて、どのように“正義のヒーロー”を作り上げていったのだろうか?
「(原作の)名前は知っていたし、彼の能力についても知っていた。でも彼がどうやって生まれたかは知らなかった。だから出来るだけたくさんのコミックを読んだよ。そしてファンの目を通して、彼らがどんなことを期待しているか掴もうとしたんだ。他のヒーローと違うキャプテン・アメリカの魅力は、彼が『選ばれた』ということだね。多くのスーパーヒーローたちは生まれたときからパワーを持っているか、偶然パワーを手にするけど、彼のパワーは『与えられた』ものなんだ。なぜなら彼がそれに適した人間だったから。彼のキャラクターが彼自身を際立たせることになるんだ。彼は無私無欲なんだ。誠実で正直で、忠誠心があって勇敢。でも最も重要なのは、“私心”がないということなんだ」。
この“ヒーロー修行”を経て、本作への出演を「いままで下した最高の決断だった」と胸を張るクリス。自他ともに認める代表作を得たいま、俳優として彼が次に目指すものは?
「ぜひどこかでカメラの後ろの仕事をやりたいんだ。でも僕の人生におけるゴールはただ、ハッピーでいるだけだよ。僕は演技が大好きで、それは僕の情熱だ。でも人生のゴールや僕が求めている平和はどこかほかのところからやって来るんだ。こんなに素晴らしいキャリアを持ててとてもラッキーだけど、どこかの時点でうまくいかなくなったとしても、自分が探している幸せを見つけられればいいなと思っているよ」。
さて、そんなクリスが演じる“キャプテン・アメリカ”は本作に続き、先述のマーベル・ヒーローたちが集結する『アベンジャーズ』にも登場する。今度はどんな活躍を見せてくれるのか気になるところだが、どうやらあまり多くは語れないのだとか…。しかし、最後に本作に通ずる『キャプテン・アメリカ』の楽しみ方を少しだけ教えてくれた。
「彼は場違いな感じなんだよ。新しい世界と新しい場所にいるから、そういったことに順応しないといけないんだ。この映画で注目しておいた方がいいのは、スティーブと科学者ハワード・スターク(ドミニク・クーパー)の関係だね。トニー・スタークの父親なんだ。だから、その関係が)『ジ・アベンジャーズ』でも少し出てくるんだよ」。
その言葉の節々に、どこかスティーブに通ずる心の持ちようを感じさせるクリス。星条旗を背負ったコスチュームの裏側に彼が体現した、純粋で美しきヒーローの“心”をぜひ感じてみてほしい。