>ミッキー・ロークらが出演し、全世界で11月11日(金)に同時公開される映画『インモータルズ-神々の戦い-』。そのプロモーションの一環として、豪華賞品が当たるTwitterキャンペーンが開始された。
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今月8日から開催されていたデジタルシネマの祭典、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2011が閉会し、16日に各賞が発表された。メインプログラムの長編コンペティション部門で最優秀作品賞に輝いたのは、ジャマイカで生まれアメリカで育った経歴を持つアルリック・ブラウン監督の初監督作品『キニアルワンダ』。監督賞はベルギーのヴァンニャ・ダルカンタラ監督が獲得した。
最優秀作品賞では、今回都合により参加できなかった監督にかわり登壇したプロデューサーのダレン・ディーン氏が「この受賞は、この作品を世界公開していく上でもひじょうに大きい。関係者はもとより今回、観てくださった日本の観客のみなさんにも感謝したい」と大きな笑顔を見せながら語った。
題名に記されているように、『キニアルワンダ』は、『ホテル・ルワンダ』など何度か映画の題材にされている1994年にルワンダでツチ族とフツ族の間で起きた大虐殺が新たな切り口と視点で描かれている。審査委員長を務めた映画プロデューサーの小椋悟氏は本作を「政治的背景や歴史の事実を題材にする映画は、その当時の状況を説明することに比重が大きくなってしまい、実は人間を描くのが難しい。その中で、本作は登場人物が実に明確に描かれていた稀有な作品。直球勝負で骨太な大傑作です」と評した。これを受けたダレン氏は「この作品はルワンダのスタッフとキャストの協力なくして実現しなかった。100万人とも言われる犠牲者もいる。そういったルワンダの人々を代表してこの賞を受け取ります」と語った。
監督賞を受賞したヴァンニャ・ダルカンタラ監督の作品『荒野の彼方へ』は、第二次大戦下、過酷な運命を生き抜くポーランド女性の姿を描いたもの。大の日本好きという彼女は「今回は日本にこれただけで幸福でした。そして今回訪れてみて、次回作の撮影の一部を日本で行うことを決めました。これからも末永いお付き合いをよろしくお願いします」と大きな笑みを見た。また、日本人では小橋賢児監督の『DON'T STOP』がSKIPシティアワードを受賞した。
アメリカの映像業界紙「VARIETY」で“世界の見逃せない50の映画祭”に選ばれた本映画祭は、今年、カンヌ映画祭でグランプリを獲得したトルコのヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督や、本年のアカデミー賞で外国語映画賞を受賞した『未来を生きる君たちへ』のスサンネ・ビア監督らの才能をいち早く紹介した実績を持つ。今回の作品からも未来を担う映像作家が誕生することを願いたい。
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2011 受賞結果
<長編コンペティション部門>
■最優秀作品賞
『キニアルワンダ』 アルリック・ブラウン監督
■監督賞
ヴァンニャ・ダルカンタラ監督 『荒野の彼方へ』
■脚本賞
『チャンス』 アブネル・ベナイム監督
■審査員特別賞
『シンプル・シモン』 アンドレアス・エーマン監督
■SKIPシティアワード
『DON'T STOP』 小橋賢児監督
<短編コンペティション部門>
■最優秀作品賞
『記憶のひとしずく』 畑中大輔監督
■奨励賞
『リスト』 田中智章監督
『ケンとカズ』 小路紘史監督
取材・文:水上賢治