シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)
> 東京国際映画祭のオープニングを飾った映画『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』のポール・W・S・アンダーソン監督が、モダンな三銃士のイメージの基が、懐かしのロックスターだったことを明かした。
映画『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』写真ギャラリー
本作で意外な配役となっているのが、悪役のバッキンガム公爵を演じるオーランド・ブルーム。その配役についてアンダーソン監督は「オーランドを選んだ大きな理由は、二つの世界的ヒットシリーズで、いい人を演じていることだよ。献身的で高潔な、ものすごくいい人を演じているよね。それだからこそ、悪役をやってほしかった。オーランドが、そのアイデアを気に入るかどうかわからなかったけど、会ってみたら驚いたことに大乗り気だった。『それこそ、やりたかったことだよ! 誰かが僕に悪役を持ってきてくれるのを待っていたんだ!』ってね」と語る。
また、アンダーソン監督は、オーランドとバッキンガム公爵のキャラクターを作る過程で交わした会話に、デヴィッド・ボウイの名前が挙がったことを明かす。「すごい衣装だからね。衣装に着られては困る。それでオーランドに70年代のロック・コンサートの映像を見るように勧めたんだ。デヴィッド・ボウイとか。あの時代は、衣装が重要な要素だった。それをオーランドは気に入って、あの盛り上げたヘアスタイルとかイヤリングとかを身に着けることになったんだ」とオーランドが挑んだ華やかな悪役への役づくりを振り返った。
「一方の三銃士は、ジム・モリソン(ザ・ドアーズのボーカル)の感じなんだよ」とアンダーソン監督。「僕たちは、たくさんの17世紀の絵を見てね。すごくモダンで驚いたよ。ジム・モリソンそっくりの男が描いてあったんだ。黒いパンツに、黒い靴、白いシャツをゆったり着ていて。だから三銃士はドアーズで、オーランドがボウイだね」と、ロックスターのイメージで、これまでになくファッショナブルな三銃士のキャラクターたちを作り上げたそうだ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)
映画『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』は10月28日公開
「当代きっての伊達男」という表現がぴったりなオーランドのバッキンガム公。
近頃では滅多にみないタイプの悪役。ノートラウマ、ノーコダワリ(←後半、日本語じゃん)。自己顕示欲の固まりだけど、それでも全てが美しいから周囲が許してしまうという、男としては珍しい役(普通それは美女がやる)。その上絶大な権力と巨万の富をもっていて、しかも王としての責任はなし。自分の行動は英国のためになると思っているから、「悪人」としての自覚もなし。当然罪の意識も反省も苦悩も葛藤もない。そんな男なのにオーランドが演じると憎めないのよ。だって、それが「当たり前」であるかのように感じさせてくれるんだもん♪