Movie Walker  


「こんな残念な上司いるいる」「こういう腹の立つ状況あるわあ」など、サラリーマン社会を凝縮。エロやパロディも織り交ぜた非NHK的な内容で人気を誇る異色コント番組『サラリーマンNEO』がこのたび映画化され、『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』として11月3日(祝)より公開!

ドラマ『ごくせん』以来、6年ぶりの共演となる生瀬と小池

主演を務めるのは、番組の顔ともいうべき生瀬勝久と、『サラリーマンNEO』初参戦の小池徹平。ふたりに話を聞くと、「まさかの映画化!ですよね」と素直な感想が返ってきた。

2004年の番組立ち上げから出演する生瀬は、番組の魅力をこう語る。「僕は番組自体、視聴率20%取るような番組だとは思っていなくて(笑)。大爆笑ではないけれど、『俺の上司の問題はこの部分なんだよ!』とか、クスッと笑える瞬間があれば良いなと。何も解決しないんだけどね(笑)。笑えるひと時が週に一度あるっていうのは、すごく素敵なことだから」。小池も「そうそう! めっちゃ笑う回もあれば、苦笑いだけの回もある(笑)。そのバラつき具合もたまらなくシュールで。僕は映画出演をきっかけに、きっちり見始めたんですけど、すっかりファンになっちゃいました」と満面の笑顔を見せた。


映画版は番組オリジナルの世界観そのままに、小池演じる新入社員が中堅のビール会社に入社してきたことから始まる長編ストーリー。ひと癖もふた癖もある上司や同僚と、新商品開発に向けて奮起する姿が描かれる。

生瀬自身、コント番組を映画化するには不安があったという。その気持ちを払拭してくれたのは、小池への信頼感だ。「小池くんは、すごいナイスキャスティングだと思った。ずっとニュートラルにお芝居をしてくれて、1本の長編の中で芯となって、押さえるところをきちんと押さえてくれた。僕ら番組からのメンバーがふざけるのに対して、困る人を演じてくれたので、バロメーターにもなりました」。小池はその言葉を聞くと「今、ようやく安心できた気がします。新参者なので、僕もそこだけはわきまえようと思っていたので」と、ほっとした様子。

“ふざける”というのは、番組おなじみのキャラクターが登場するコント部分のこと。なかでも、理不尽な雑用を押し付ける男子社員にヤキを入れるOL3人組み“欧愛留(OL)夜叉”に制裁を加えられ、たじろぐ小池の姿は必見だ。「もちろん困惑もしましたが、やっぱり圧巻でしたね。ドMの男性スタッフからは『うらやましい。ちょっと替わってくれ』なんて言われたりして(笑)」と、小池が現場の様子を明かすと、生瀬が「そうなんだ! 僕はSだから、怒られるのは嫌だなあ」と告白。すかさず「そう! 生瀬さんはドSです!」と小池が突っ込むなど、劇中さながらの愉快なやりとりを見せてくれた。

ふたりの共演はドラマ『ごくせん』以来、6年ぶりのこと。小池は「自分の中では、生瀬さんに変わったところを見せなきゃって思いもあって。ものすごく緊張しました」と再会の感想を語ると、生瀬は「『ごくせん』は若い俳優さんの登竜門的な番組で、この子たちがどうなっていくんだろうっていう目で見ていたら、小池くんは『シバトラ』で主役になって! 今回、久しぶりに一緒に芝居をしてみたら、なるほどな、主役をやる役者に成長したなと納得しました。何より、ちゃんと社会人になっていた(笑)。きちんと挨拶できるということが、実はすごく大事なんですよ」と後輩の成長を喜んでいた。

最後に生瀬は映画をこうアピール。「一人で働いているんじゃないということを見つけられる作品になりました。力を合わせる仲間がいることを意識した時に、いろんなことが解決していくんじゃないかな。僕も役者をやっていて、一番楽しいのは同じものを作っている人たちにどんどん出会えること。全て人との出会いが大事なんです」。小池も「サラリーマンを演じてみて、『うまくいかないことが当たり前、日常茶飯事だよ』っていうセリフが出てくるんですが、だからこそできた時の達成感があるのかなって思ったんです。失敗したって良いんですから!」と前向きオーラで答えてくれた。

映画をヒントに日常を見つめてみれば、残念な上司も突っ込みどころ満載の面白キャラに。腹の立つ仕事にも、助け合える仲間がいたことに気付くかも。是非とも本作に触れて、サラリーマン生活をもっと楽しんでみてはいかがだろうか。【取材・文/成田おり枝】


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