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>NHKの異色コント番組を約2時間の映画にしてしまった大胆不敵な作品『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』(吉田照幸監督、11月3日公開)にダブル主演する小池徹平と生瀬勝久が、ORICON STYLEのインタビューに応じた。テレビドラマ『ごくせん(第2シリーズ)』(日本テレビ系)で、小池が生徒役、生瀬が先生役で共演してから6年。今作では小池が新入社員、生瀬が直属の上司(課長)の役で再び相まみえる。生瀬は小池をまじまじと見つめ、「あの頃はチャラチャラとして、髪型しか気にしていなかったのに…。今やものすごい努力家でいらっしゃる」と“泣きまね”をしながら若者の成長を喜んだ。

セクスィー部長の謎も明らかに!?

 いったい今作で小池はどんな役作りをしたというのか。「やめてくださいよ~」と嫌がる小池を制し、生瀬はギョロリと目を見開いて「ゲームセンターにある『太鼓の達人』ですよ。とんでもなくうまくなっていましたから。『ごくせん』の頃には考えられないような(笑)。すごかったですよ」。

 『太鼓の達人』ですか? それは、小池扮する新入社員の新城が憂さ晴らしで叩いたり、生瀬演じる中西課長と“競演”して心を通わせる感動的なシーンにも登場するのだが…。拍子抜けしている記者に反論したのは小池だった。「ゲーム機の発売元(バンダイナムコゲームス)に、『太鼓の達人』の達人がいらっしゃるんですよ。その方に弟子入りして、バチの持ち方から教わりました。エア太鼓もできるくらいです」。

 その迫力、その一生懸命さが愛しくて可笑しい。2004年より6シーズン続くテレビシリーズの演出すべてを担当し、今回メガホンをとった吉田監督からしてそうだ。シリーズ当初から出演する生瀬は、今回の映画化の経緯に関して「吉田さんからは2、3年前に『NEO』を映画にしたいというメールをもらっていた。そのときは返事もしなかったんですけどね(笑)。呆れかえっちゃって。コント番組が映画になるとは夢にも思っていませんでしたからね」と振り返る。

 それが、現実に映画になった。生瀬は「初号を観たときは感動しました。吉田監督の夢がかなったんだなぁって。ここからまた何かが始まるんじゃないかなぁって。いろんな思いがよぎりましたね」。

 『NEO』初参戦となった小池は「長く続いている作品だったのでプレッシャーもありましたし、シーズン1から5までのテレビ版をDVDで全部観てから撮影に入りました。おそらく現場で一番『NEO』に詳しくなっていたと思います(笑)」とやっぱり努力家だ。

 そんな努力の甲斐もなく(?)、小池が演じた新城は最も『NEO』っぽくないキャラクターだった。「今どきの普通の新入社員を演じるのは、やっぱり難しかったですね。テレビ版に常連の役者さんたちの中にいると、自分も何か面白いことをやりたくなっちゃうんですよ」。

 小池の我慢は、今作に「必要不可欠だった」と生瀬はいう。「僕らレギュラー陣は劇場版といってもコントをやっている感覚だったんですね。ストーリーの中のサラリーマンを演じようとしても、面白くしようとデフォルメしてしまう。そこは『NEO』だから。新たに小池くんが入ってくれて、彼が真面目にやればやるほど、周りの芝居はコントみたいになる。一生懸命な彼が入ってくれたことで、うまくバランスがとれました」。

 珍しく真面目に語る生瀬を見て、小池は「それを聞いて安心しました。変な欲を出さないでよかった」と心底ホッとしているようだった。

 テレビ版同様に、劇場版もサラリーマンなら「ある、ある」と共感できるネタが満載だ。生瀬は「『NEO』は日本の社会の縮図だと思っているし、『NEO』を観て笑えるうちはまだ大丈夫。笑えなくなったら本当に病んでしまう。だから、笑わないといけない。笑えるくらい余裕がないといけない。若い連中に、お前も年を取ればわかるんだって、言える世の中でないといけないと思うんですよ」と力強く語った。そんな先輩を小池は頼もしそうに見つめて、笑っていた。



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