映画.com より(以下一部抜粋)


>中国映画界を代表する監督のチェン・カイコーが新作「運命の子」を引っさげ来日し11月4日、都内のホテルで会見した。これまで100回以上来日している親日家で、東日本大震災に対して「大きな災害が日本を襲ったことに驚くと同時に、冷静さを失わない日本の皆さんの姿に感動した」。人気グループ「SMAP」が9月に行った北京公演にも足を運んだといい「人間同士がわかり合うには、互いの文化を理解することが大切。私が監督したすべての作品が日本で公開されていることをうれしく思います」と語った。

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 司馬遷の「史記」にも記されている悲劇「趙氏孤児」を映画化。今から約2600年前、晋国を舞台に、敵対する武官の諜略によって、一族300人が皆殺しにされた趙氏唯一の生き残り・程勃(ていぼつ)が“ふたりの父”に育てられ、やがて武官に復しゅうを果たす歴史ロマンだ。カイコー監督は「テーマは犠牲と忍耐。どちらも中国文化の良い部分として、映画を通して表現したかった」と語る。

 程勃が一族の敵(かたき)だと知らず“父上”と慕う武官・屠岸賈(とがんこ)をワン・シュエチー、妻子を身代わりに程勃を守り育てる“父さん”程嬰(ていえい)をグォ・ヨウが演じる。ふたりともカイコー作品になじみが深い名優で「時が経つのは早いもの。もう彼らも若いとはいえないが(笑)、また仕事ができて、素晴らしい経験だった」。程勃の実母・荘姫(そうき)を演じるファン・ビンビンは、第24回東京国際映画祭のコンペティション部門で審査員を務めたばかり。「彼女には力まず、静かな演技を求めた。静かな演技にこそ、観客を訴える力がある」という。

 また、程勃の少年期を演じるウィリアム・ワンは、日本育ちだといい「演技経験もなく、中国語も少ししか話せない」(カイコー監督)。それでも「私としては大胆な起用だったが、素晴らしい演技を見せてくれ、シュエチーとヨウという名優ふたりをして『彼には勝てない』と言わしめた」と太鼓判を押した。

 「運命の子」は12月23日から全国で公開。