山本太郎、原発事故から25年目のチェルノブイリに旅費は自腹で!旅のすべてを撮影してドキュメンタリー化

シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)


>東日本大震災以来、原発問題と真正面から向き合ってきた俳優の山本太郎が、今月24日よりチェルノブイリを訪れることを明かした。

山本太郎が出演する最新作映画『マイウェイ 12,000キロの真実』フォトギャラリー

 福島第一原発がメルトダウンを起こして以来、山本の目は常に福島の子どもたちに向いていた。「年間20ミリシーベルトなら、直ちに健康に害はない」と言い続けてきた政府に対し、山本は、「年間2ミリシーベルトを超えない安全な場所で子どもたちが住んで欲しい」と、子どもたちを疎開させるプロジェクトや、団体の活動をサポートし、避難の権利を求め続けている。今月13日に行われた「第27回東日本女子駅伝」の開催には、「線量の高い場所を、細胞分裂が活発な若い女の子たちに走らせるなんて言語道断」と真っ向から反対の声を挙げていた。20分以上鼻血が止まらない小学生、メルトダウン当時妊娠中で、産んだ直後に赤ちゃんの心臓に穴が空いていたことが分かったという母親。福島ではさまざまなひとに出会い、話を聞いたが、彼らの症例が放射性物質と結びつく科学的な証明がされていないために、歯がゆい気持ちばかりが募る。「因果関係をはっきり証明できないのは一番辛い。僕が政府に求めたいのは避難する権利なんです。福島の線量が高いところから、一度避難させて、移住するか否かを自分で選択できるように補償してあげるべきです」。

 5年後、10年後の日本はどうなるのか……山本は、今月24日からチェルノブイリに旅立つ。「日本の未来をこれからどうすべきか考えるためには、事故から25年目を迎えたチェルノブイリから学ぶのがいいと思うんです。子どもたちのこと、除染のこと、放射線廃棄物のこと、いろんな話を聞いてみたいと思っています」。もちろん、旅費はすべて自腹だ。チェルノブイリ滞在前には、脱原発を宣言したばかりのドイツにも10日間、立ち寄る。日本の市民運動にも数多く参加している山本は、市民運動が活発なドイツに以前から興味を持っていたそうで、「世界では、自分の意思表示がどれだけされているのかをしりたい」と、向こうでのアクションにも参加する予定だという。「知り合いの若いディレクターを連れて行って、旅のすべてを撮影してもらおうと思っています。もちろん、彼の交通費や宿代も僕が負担して。ドキュメンタリーのように形にできたらと思っているんです」。

 所属事務所を辞め、自分一人でマネジメントをこなしながら、原発問題とも戦い続ける山本。彼を励ましたのは、来年1月14日より公開される自身の出演作『マイウェイ 12,000キロの真実』のカン・ジェギュ監督だったという。映画『シュリ』『ブラザーフッド』などを手がけたジェギュ監督の作品に、「絶対出たい!」と自らオーディションを受けに行き、出演チャンスをつかんだという山本は、撮影後、アフレコに訪れた韓国で再会したジェギュ監督に、「きみの活動は応援しているし、大切なことだとは理解できるが、役者としての才能があるんだから、ぜひ仕事もしてほしい」と言われたエピソードを「うれしかったです!」と満面の笑顔で明かした。

 映画『マイウェイ 12,000キロの真実』は、1944年のノルマンディー上陸作戦時に、ドイツ軍内から発見された実在の東洋人の物語。主演にオダギリジョーとチャン・ドンゴンを迎え、韓国映画史上最高の製作費25億円を掛けた本作は、カン・ジェギュ監督をはじめ、「プライベート・ライアン」「レッドクリフ」のスタッフら、世界16か国のスタッフが集結した超大作。山本は、凶暴な日本兵“野田”を演じる。(編集部:森田真帆)

  映画『マイウェイ 12,000キロの真実』は、2012年1月14日より全国にて公開