オリコン より(以下一部抜粋)
>俳優のオダギリジョーが21日、都内で映画『マイウェイ 12,000キロの真実』特別映像試写会にカン・ジェギュ監督とともに出席し、役作りの一環で「谷川真理さんのマラソンジムに通い、猫ひろしさんとも一緒に練習していた」と明かした。同作でオダギリはマラソンで五輪出場を夢見る青年・辰雄を演じる。「猫さんがカンボジアの代表になれればいいな」とエールを送り、自らも「走ることをなんとなく身につけたので、行った先々の都市を走るというおしゃれな趣味を見つけました。カンヌ、ニース、ラトビアでも走りました」と話した。
同作は、第二次大戦中、アジアからノルマンディーまで、日本・ソ連・ドイツの3つの軍服を着て生き抜いた男の実話から生まれた物語。日本占領下の朝鮮で出会った日本人と朝鮮人の少年が、ともにマラソンでオリンピック出場を夢みて成長。しかし、第二次大戦が始まり、二人の運命は翻弄される。夢をあきらめて軍人となりやがて敵国の捕虜になってしまう辰雄と、夢をあきらめずに戦場でも走り続けるジュンシク(チャン・ドンゴン)。戦いに身を委ねながらも生きることをあきらめなかった二人の友情と絆を描き出す。
昨年10月から今年6月まで及んだ撮影は、日数にして240日を数えた。ジェギュ監督は「一度見ただけで、すぐ虜になった俳優は初めてでした」とオダギリに一目惚れして出演をオファーしたが、オダギリは「台本を読んだ時点で、相当、しんどい撮影になるとわかっていたから、断り続けていた」。出演を決めるまでの葛藤を「監督があきらめずに誘い続けてくれたし、これほど規模の大きい戦争映画は日本では作れないし、その当時34歳で、今後、同じような作品に出演することもないだろうから、いい勉強させてもらおうというあきらめに近い感じだった。撮影初日も行きたくなくて仕方なかった」と苦笑い。
実際に撮影は危険なシーンの連続で、オダギリは本物のマシンガンを撃ち、走る戦車に飛び乗り、本物の火炎瓶を持って投げるなど、体を張った撮影に挑んだ。「イギリス製の戦車を3台も作ったり、隅々まで徹底したものづくりの現場を見ることができた。爆発の一つとっても迫力がケタ違いで、僕がいままで経験したことがないような事ばかり。生きて帰れるのか、本当に不安に思ったし、けがをしないで終われたのは奇跡に思う」。
この日は、クライマックスのノルマンディー上陸作戦のシーンが特別に上映され、オダギリも出来上がった映像を初めて目にした。「改めて見ると震える感じがあって、これは撮影時のトラウマなんじゃないかな。これだけ迫力のあるシーンを作るために、カットを割って、爆発などの指示を与えていた監督って、本当にすごい。現場では嫌気がさしていたことも正直あったが、出来上がった映像を見ると、頑張ってよかった」と笑顔を見せた。
また、オダギリは「韓国、中国、日本で協力してこの作品を作ることになったこと自体が挑戦的で意味のあることだと感じている。僕は日本人としてこの作品に関わったし、日本の観客に対して嘘をつかない姿勢は貫いたつもり。映画は、史実通りでないところもあるし、演出上、日本人が嫌な描かれ方をしているかもしれないが、それはエンターテイメントとして理解してもらいたい」と話していた。