Movie Walker より(以下一部抜粋)


>『スピード』(94)や『マトリックス』シリーズなどの世界的ヒットにより、押しも押されもせぬ大スターとなったキアヌ・リーブス。誰もが認めるハリウッドセレブの彼だが、素顔はとても控えめで、年季の入ったジャケットとジーンズを身にまとい、公園のベンチやオープンカフェで一人ぼっちのランチを取っている姿をパパラッチされ、その予想以上の庶民ぶりを見せつける画像が世界各国のゴシップサイトをにぎわせたことも記憶に新しい。

【写真】孤独な高速道路の料金徴収係は意外とはまり役かも?

そんな地味セレブ、キアヌが11月26日(土)より公開のクライムコメディ『フェイク・クライム』で演じているのは、高速道路の料金徴収係として働く小市民ヘンリーだ。流されるがままに平凡な生活を営むその姿には、バスの乗客や世界を救ったヒーローを演じた時の輝きに代わり、何とも言えない哀愁が漂っている。そのうえ、ヘンリーは高校時代の悪友たちによって銀行強盗の片棒を担がされ、懲役3年の実刑判決を下されてしまう。それだけで終わるならばまだ良いが、収監より一年後の仮釈放時に、妻が他人の子供を宿していることを知り、ショックを受けているところを車にはねられるといった、不運極まりない状況に見舞われるのだ。そんなヘンリーをナチュラルかつコミカルに演じる姿に「もし、キアヌが俳優という道を選んでいなかったら」と、想像をめぐらせてしまう人も少なくないだろう。

高額のギャランティが得られるハリウッド超大作より、本作のように小粒だが、味わい深い物語に惹かれるというキアヌ。長年の友人でもあるプロデューサー、スティーブン・ハメルと共に本作の製作も手掛けたということからも、作品への思い入れの深さがうかがえる。『ゴッドファーザー』シリーズのジェームズ・カーンや『マイレージ、マイライフ』(09)で米アカデミー賞助演女優賞にノミネートされたヴェラ・ファーミガら実力派俳優陣との共演も見どころの一つである本作。キアヌ史上、最も地味といっても過言ではないその演技をスクリーンで確認してもらいたい。


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