シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)
>レオナルド・ディカプリオがFBI初代長官フーバーを演じるクリント・イーストウッド監督最新作『J・エドガー』から、ディカプリオが特殊メイクで変身した、晩年のフーバーの姿が公開された。そのあまりにリアルな老人メイクには、イーストウッド監督も最初はディカプリオ本人の姿だと気がつかなかったという。
映画『J・エドガー』場面写真
本作は、アメリカ連邦捜査局(FBI)の初代長官として、およそ50年にわたってその座に君臨、絶大な権力をにぎったジョン・エドガー・フーバーの半生を、アメリカの近代事件史と共に描く作品。ディカプリオは、20代からその晩年まで、すべての年齢のエドガーを一人で演じた。自身の容ぼうを少しでもフーバー本人に近づけるため、ディカプリオは、目や髪の色を合わせるのはもちろん、演じる年齢に応じ、額の毛を抜き、あごを二重にし、鼻の形もゆがめるなど、特殊メイクを駆使。公開された晩年のフーバーの画像では、そのハンサムさの面影もない変身ぶりが確認できる。
このあまりの変身ぶりに、最初はイーストウッド監督でさえ、この姿がディカプリオだと気がつかなかったのだとか。監督は、そのできばえに、「レオ(ディカプリオ)のメイクは本当に素晴らしかった。スタッフが造り出した顔は、じつに見事。あのメイクをしたレオがいることで、ジョン・エドガー・フーバーの存在を実感できたよ」と満足気にコメントしている。
もちろん容ぼう以外にも、自身の正義を強引に追求したフーバーの野望や葛藤(かっとう)、近しい者への愛情など、複雑な内面を見事に演じきったディカプリオには、アカデミー賞へのノミネートと受賞に大きい期待がかかる。これまで3度ノミネートを果たしながらもかなわなかった悲願の達成となるか、ファンならずとも気になるところ。また、近代アメリカの事件史の裏側を紐解きながら、彼の赤裸々な私生活を描いたイーストウッド監督と作品自体、また、共演したアーミー・ハマー、ナオミ・ワッツら共演者への評価も含め、映画賞レースをどこまで騒がせる作品となるのかにも、注目したい作品だ。(編集部・入倉功一)
映画『J・エドガー』は2012年1月28日より丸の内ピカデリーほか全国公開