今週末も冷え冷えのボックスオフィス、アンサンブルムービー『ニューイヤーズ・イブ』がナンバーワン! -12月12日版【全米ボックスオフィス考】

シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)


>今週は、3週連続で首位を守っていた映画『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーンPart 1』がトップの座を明け渡し、新作映画『ニューイヤーズ・イブ』が全米トップの映画となった。

映画『ニューイヤーズ・イブ』写真ギャラリー

 とはいうものの、デビュー週末だというのに収益は1,302万ドル(約10億4,160万円)。豪華スターが出演している映画でこの数字はかなり厳しいものがあり、去年2月に公開された同じくゲイリー・マーシャル監督作で、ほぼ同じパターンのアンサンブル映画『バレンタインデー』と比べても新作の『ニューイヤーズ・イブ』は77パーセントも収益が下回っている。大みそかを2週間後に控えて、このままジリジリとチャート内にとどまることは予想されるが、周囲の予想を大きく裏切るデビューになったことは否定できない。(1ドル80円計算)

 トップの収益がこれだけ低いと、その余波がボックスオフィスの総合にも如実に現われる。今週末の7,520万ドル(約60億160万円)という総合興収は、2008年9月にニコラス・ケイジ主演のアクション・サスペンス映画『バンコック・デンジャラス』が収益780万ドル(約6億2,400万円)でデビューしたウイークエンド興行収入は下回らなかったものの、今年のウイークエンド興行収入の中では最低の数字をたたき出し、今週のボックスオフィスは先週に引き続き寒々とした雰囲気となっている。

 今週第2位は、ジョナ・ヒル主演コメディー映画『ザ・シッター(原題) / The Sitter』で985万ドル(約7億8,800万円)。アメリカでは風当たりが強いR指定のコメディーとなっており、苦戦を強いられているようだ。

 第3位は、4週目にしてついに首位を明け渡した映画『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーンPart 1』で782万ドル(約6億2,560万円)。土曜日の時点で、これまで2011年の興行記録第3位だった映画『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』を追い抜いており、第2位の映画『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』や、2011年ボックスオフィス王である映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』にも迫る勢いである。

 第4位は、698万ドル(約5億5,840万円)で映画『ザ・マペッツ(原題) / The Muppets』。下降率は37パーセントで悪くない。これからクリスマス休暇に入る子どもたちが両親に連れられてこの映画を観に行くという可能性も大きく残されており、チャート上昇とまではいかずともこのまま少しずつ興収を伸ばしていくというパターンは十分考えられる。

 今週のトップ5最後は、映画『アーサー・クリスマスの大冒険』で651万ドル(約5億2,080万円)。先週と比べて12パーセントの収益減は、上映館が104館も減ったというのになかなかのもの。この映画もクリスマス休暇を目の前にして、長期にわたって少しずつ数字を伸ばせそうな期待できる作品である。

 さて、来週のチャート予想だがこれはかなり興味深い。シリーズ第2弾となる映画『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』、そしてファミリー映画の人気者でこちらもシリーズもののアニメ+実写映画『アルビン・アンド・ザ・チップマンクス:チップレックト(原題) / Alvin and the Chipmunks: Chipwrecked』が公開され、この2作が上位を占めることは確実なのだが、これらの作品に対抗するがごとく、今週はトム・クルーズ期待の大作映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』がIMAXで先行公開されるのである。全米公開ならびに普通のスクリーンでの上映は12月21日(水)からなのだがIMAX上映は特別に1週間早くスタートを切る。今週末の上映館は限定的だが、IMAXは入場料の単価が高いため果たしてこの新作がどこまでチャートを上ってくるか見ものである。

 そしてこのIMAX上映にはちょっとしたオマケが付いており、それもこの映画のIMAX上映においての売り上げを伸ばすツールとなるかもしれないと話題になっている。そのオマケとは、本編開始前に流されるプレビューで、来夏公開予定の映画『ダークナイト ライジング』の特別予告編が上映されるのだ。このニュースは広まるやいなや熱心なコミック・ファンはもとより、映画ファンも大フィーバー。『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』よりも、この予告編を観にわざわざIMAXへ足を運ぶというファンも少なくない。

 いずれにせよ、現在極寒のボックスオフィス状態に上記3作品がテコ入れをしてくれることは間違えないであろう。