映画.com より(以下一部抜粋)
>12月20日に急性肝不全のため61歳で急逝した森田芳光監督の通夜が23日、東京・青山葬儀場で執り行われ、生前の森田監督の作品に参加した俳優やスタッフら多くの弔問客が足を運んだ。葬儀場にはこれまでの森田監督作のテーマ曲がBGMとして流れ、遺影の周りは生前の監督が好んでいたかすみ草など白い花で埋め尽くされた。
【フォトギャラリー】森田芳光監督の通夜に参列した松山ケンイチらの様子
一般のファンも含め、約700人が参列。「失楽園」の役所広司、「武士の家計簿」の堺雅人、「間宮兄弟」の佐々木蔵之介と塚地武雅(ドランクドラゴン)、「(ハル)」の深津絵里、「海猫」の伊東美咲、遺作となった「僕達急行 A列車で行こう」の松山ケンイチら各作品で主役を張った面々に、木村佳乃、小池栄子、佐藤浩市、鈴木京香、八千草薫、秋吉久美子、鈴木亮平ら森田作品に出演した俳優陣、監督仲間である堤幸彦、根岸吉太郎、行定勲ら多くの映画関係者が姿を見せた。
報道陣の取材に応じた役所は「早すぎますよね……信じられないです」と悲痛な表情。「独創的で誰の真似もせず、常に新しいことを考える監督でした。『失楽園』で一緒に全国を回って、楽しい思い出もあります。照れ屋な方でした」と故人を偲んだ。「また一緒に仕事をしたかった?」という問いかけに「僕は(監督の次作のために)待機していたんですけどね……」と寂しそうな笑みを浮かべた。
大学で同じ「落語研究会」に所属していたという、タレントで放送作家の高田文夫は「僕が彼に落語を教えたんだけど、下手くそだから『お前は映画を撮れ!』と言ったんです。だから、(デビュー作で落語の世界を描いた)『の・ようなもの』の主人公は彼自身なんだよ」と告白。「今度の作品(『僕達急行 A列車で行こう』)も列車トークをラジオでやろうって話していたのに。悔しいね……」と唇をかんだ。
「キッチン」で女優デビューを果たした川原は、「18歳の時に女優になるきっかけを作ってくださった方。『素直な気持ちで取り組むのが一番大事』と教えていただきました。ご挨拶ができないままで……」と泣きじゃくった。
遺作となった「僕達急行 A列車で行こう」でヒロインを務めた貫地谷しほりは、昨年の11月に本作の打ち上げで顔を合わせたのが最後だったと明かし「信じられなくて……。いまでも信じられない」と目元を拭った。撮影現場を「アットホームな現場でした」と述懐。「ゆっくり休んでくださいと言いたい」と目を真っ赤にして言葉を絞り出した。
法名は、故人の名前と映画の“映”の字を取った「常然院釋芳映(じょうねんいんしゃくほうえい)」。明日24日には同所にて葬儀・告別式が行われる。