『トレインスポッティング』(96)や『スター・ウォーズ』新三部作をはじめ、役柄を問わない多彩な演技力で、多くの名作に華を添えてきたユアン・マクレガー。今夏に公開された『ゴーストライター』の演技が高く評価されるなど、いっそう貫禄を増し、名優と呼ぶにふさわしくなりつつある彼の主演最新作『パーフェクト・センス』、そして『人生はビギナーズ』が2012年立て続けに公開される。
【写真】『パーフェクト・センス』では未知の病に冒されながら愛を貫こうとする一人の男を演じている
まずは1月7日(土)より公開される『パーフェクト・センス』。人間の五感を徐々に奪い去っていく原因不明の奇病が蔓延し、人類滅亡の危機に陥った世界を舞台にしたSFドラマだ。ユアンは共演のエヴァ・グリーンを相手に、奇病に侵されながらも愛を貫こうとする男を演じ、世界の終末に臨む人間の繊細な感情を見事に表現している。
2月4日(土)より公開の『人生はビギナーズ』は、ガンを患った父親から突然ゲイであることをカミングアウトされ、困惑する独身男を描いた人間ドラマ。ユアン演じる甲斐性なしの独身男は、残された時間を謳歌する父親に感化され、もう一度、自分の人生を見直すことを決意する。こちらはクリストファー・プラマー、メラニー・ロランという豪華キャストに囲まれる中、ユアンの渋い演技が冴える作品だ。抑制されたセリフ回しからは、ユアンの新たな魅力を感じ取ることができるはず。
対極にあるこれら二作をとっても、ユアンの俳優としての振れ幅の広さが充分にうかがえるだろう。また、今やハリウッドを代表する俳優の一人でありながら、規模を問わず、味わい深い作品を選んで出演するなど、彼の俳優としてのポリシーにも好感が持てる。40歳を迎えてますます円熟味を増していくユアンの今後からますます目が離せない。