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二度見必至の『裏切りのサーカス』を解読! シナリオの迷路から抜け出すための3つのポイントとは?(Movie Walker) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120503-00000021-mvwalk-movi
>スパイを扱った映画といえば、『007』や『ミッション・インポッシブル』といった人気シリーズなど、比較的ストレートなアクションものが多いという印象があるが、現在公開中のスパイ映画『裏切りのサーカス』は全く異なる作風だ。スパイ小説の大家ジョン・ル・カレの「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」を原作に、1970年代の英国諜報部(=サーカス)を舞台にした同作は、徹底したリアルな描写で、複雑に入り組んだ頭脳戦が展開する濃厚なミステリーなのだ。
【写真を見る】説明的なショットは皆無だが、全編を貫く緊張感に一瞬も目を離せない
原作ファンからは「これだけ複雑な話をよく映画化した」と言われ、一度の鑑賞では全貌が把握しきれないのではないかと話題になっているぐらいだ。そんな前評判に、ついつい難解な映画と思われてしまいそうだが、ゲイリー・オールドマン演じる主人公の目的は至ってシンプルだ。それは、英国諜報部内に潜り込んでいる二重スパイを見つけ出すこと。しかも、容疑者は4人に絞られている。ところが、劇中には細かい伏線が幾つも散りばめられ、何気ないシーンのなかに謎解きの重要な鍵が滑り込ませてあるので、観客は複雑怪奇な迷路へと足を踏み入れてしまうことになるのだ。そこで、この迷路を無事に抜け出すための道標として、3つのポイントを示しておきたい。
まず第一に、映画のあらすじをしっかりと頭に叩き込んでおくこと。こちらは公式サイトで詳細なあらすじと人物相関図が確認できる。鑑賞前に予備情報をあまり知りたくない、という方もいるかもしれないが、映画の魅力を存分に満喫するために、“ご一読ください”と強調された文章だけでも、一度は見ておいていただきたい。なかでも二重スパイの容疑者4人に関しては、人物の顔と名前、そしてコードネームをはっきり一致させておくと良いだろう。これだけで本作の複雑さはかなり取り除かれるはずだ。
第二に、カーラなる人物の名前に注意してほしい。この人物は劇中にほとんど姿を見せないのだが、いわば黒幕として君臨している人物だ。従って、カーラの名前が登場する場面は、必然的に本作を理解するうえで重要な場面ということになるのだ。この名前が出てきたら、そこで語られる情報やエピソードなどを聞き逃さないようにすると良いだろう。
最後は一枚の古い写真だ。映画の序盤にさりげなく登場するこの写真には、ふたりの登場人物が。そして同時に、このふたりの間に強い関係があることが示される。これは事件の謎を解くための鍵でもあり、本作のラストをより深く味わうための伏線でもあるのだ。あまり詳しくは触れられないが、この写真の存在を見逃さなければ、作品全体の理解がいっそうクリアになることは間違いないだろう。
以上、3つのポイントの他にも、たとえば回想シーンが突然挿入されることをあらかじめ念頭に置くなど、細かいテクニックを挙げることもできる。いずれにせよ、注意深く物語を追っていけば、本作は複雑ではあっても、決して難解ではないはずだ。ゲイリー・オールドマンら演技派俳優陣が生み出す尋常でない緊迫感と、精巧に作られたパズルを解くような知的な楽しみを味わえ、原作既読者でも何度も見返したくなる『裏切りのサーカス』。ラストの最高の余韻に浸るためにも、是非劇場でじっくり鑑賞してもらいたい。
ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ (ハヤカワ文庫NV)/ジョン・ル・カレ
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原作読んだ方が早いっすよ。