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アカデミー賞授賞式会場コダック・シアター10年の歴史に静かな幕…ドルビー・シアターに命名への長い道のり(シネマトゥデイ) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120503-00000019-flix-movi
>アカデミー賞が毎年開催されるコダック・シアターがドルビー・シアターに名前を変更した裏には映画ファンやハリウッドの人々のさまざまな思惑が渦巻いていた。
今年1月にコダックが破産申請を行い、コダック・シアターの命名権を返上せざるを得ないことになったとき、ハリウッド界隈では「アカデミー賞授賞式はハリウッドから別の場所へ移動するのではないか?」といううわさが飛び交い始めた。
ハリウッドの業界紙はこぞって、「アカデミー本部はダウンタウンの大型シアターであるノキア・シアターの持ち主AEGとも話しをしているようだ」と書き立てており、コダック・シアターがオープンする前に授賞式が開催されていたシュライン、あいはドロシー・チャンドラーに戻るかもしれないという憶測もされていた。そんなうわさを聞いて、外から見ているだけの者たちは、「アカデミー賞がハリウッドから去ってしまう!」という焦燥感にかられていた。
一時は、“倒産シアター”などとお笑いトークショーのジョークネタにまでされてしまった旧コダック・シアターは、ある意味で一時的に名無し状態となり、これからどんな名前になるのかは誰にも検討がつかなかった。アカデミー協会の会長であるトム・シェラク氏は新たなシアター名に関するインタビューを受けたとき、「まあ、GoDaddy.com(=米国で実在する人気サイトの名前で、訳すとイケイケ父ちゃん.com)・シアターとかっていう名前になったらちょっと困るけど」とお得意のジョークを飛ばしていたほどだ。
「果たして、“コダック・シアター”ほどピッタリの名前が劇場に付くのだろうか?」とアカデミーだけでなく映画が好きな人間なら誰もが思っていた。だから今回、映画の音響システムで由緒あるドルビーの名前が向こう20年間に渡ってシアターの名前となることが確定したとき、懸念していた全ての人々が胸を撫で下ろした。この記念すべき日に、アカデミーの会長トム・シェラク氏にオンラインの著名芸能ジャーナリストであるピート・ハモンドがドルビー・シアター命名の件についてたずねた。
シェラク氏は、「私個人的としてもハリウッドにとどまりたかったし、アカデミー理事会の面々たちもとにかく絶対ハリウッドに残りたいという意思を表明していた。オスカーとハリウッドの間には特別なコネクションを感じていたし、授賞式はハリウッドにあってしかるべしとずっと信じていた。」とそれまで秘めていたアカデミーの本心を吐露したという。
1961年、ハリウッドのパンテージャス・シアターで授賞式が開催されたのを最後に旧コダック・シアターがオープンするまでアカデミー賞は流浪の民よろしく、サンタモニカ公民館、ロスのダウンタウンにあるドロシー・チャンドラー・パビリオン、そしてシュライン・オーディトリアムと開催場を渡り歩いて2002年にやっと“故郷”のハリウッドに戻って来たのである。とどまりたいと思うのは当然のことである。
ドルビーの責任者ラムジ・ハイダムス氏によると、新ドルビー・シアターにはドルビーが開発した最先端のの音響装置、そして3D機器を配備して「世界中の映画スタジオがドルビー・シアターでプレミアを開きたいと思わせるような最高の劇場にしたい」と語っている。数週間後には、これまでコダック・シアターの文字が掲げられていたシアター全面にドルビー・シアターの新しいロゴがアップするという。シアターの新たなる1章が幕を開ける。