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故・山田康雄さん演じたイーストウッドの代役務めた多田野曜平「山田さんの吹き替え魂は継承したい」!(シネマトゥデイ) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120508-00000010-flix-movi
WOWOWの「『ダーティハリー』全5作品ノーカット吹替版一挙放送」で、故・山田康雄さんの代役としてイーストウッド声優に抜てきされた多田野曜平が、山田さんに対する思いを語った。
ある一定の年齢を超えた人々にとっては、クリント・イーストウッドの吹き替え声優イコール山田さんであろう。皮肉っぽさと軽妙さを兼ね備えた山田版吹き替えの支持者は今も多いが、本シリーズの地上波放送は、作品によって3~29分程度カットされ、当然その部分の吹き替え音源はこの世に存在しない。
今回のWOWOWの「ノーカット吹替版」企画は、テレビ放送時の音源をベースとしながらも、そのカットされた部分を存命の声優はできる限りオリジナルの人に、物故者は声質の似たキャストで再現しようという、オリジナル声優にリスペクトをささげた企画となっている。
今回の抜てきに「僕ら世代には、イーストウッドが出てきたら山田康雄の声じゃないとダメ。ですから、光栄な気持ちと恐れ多い気持ちがまざったような感じです」と語る多田野は、山田さんが在籍していた劇団テアトル・エコー所属で、後輩にあたる。「お亡くなりになった方ですが、劇団に二見忠男さんという先輩がいて、僕は彼に顔が似ているということで受かった。だから劇団で古い芝居をするときは、二見さんの役を僕が継承しているんです。山田さんの役は先輩の安原義人さんが継承しているので、劇団的には僕が『ダーティハリー』をやるなんて誰も思っていないと思う。納谷(悟朗)さんあたりに知られたら、バカヤローと言われそう」と笑う多田野。
その声質は驚くほど山田さんそっくりだが、本人は「山田さんの吹き替えを改めて聞いてみると、クリント・イーストウッドとまるっきり違う。何でこんな言い方ができるんだろうと感心しますよね。イーストウッドの芝居をつかんだ上で、ひとつ進んだ芝居を入れるというか。かっこいいんです。ものまねをする必要はないんですが、吹き替え魂は継承したいですね」と語る。同じ劇団出身というのも運命を感じさせるが、「声優を始めたのも、テアトル・エコーには山田さんはじめそうそうたる人たちがいたから。だから今回の仕事は、今まで生きてきた中で一番幸せです」と笑顔を見せた。(取材・文:壬生智裕)
「『ダーティハリー』全5作品ノーカット吹替版一挙放送」は5月12日、13日にWOWOWプライムで放送予定