恋愛映画で“雨のキス”が多い理由 雨がもたらす心理的効果とは?(オリコン) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120612-00000341-oric-movi


> 本格的な梅雨入りを迎え、毎日しとしと降る雨にわずらわしさを感じる人も多いのでは? しかし、現実の世界とは一転、ジーン・ケリーの『雨に唄えば』をはじめオードリー・ヘップバーン主演の『ティファニーで朝食を』のラストシーンなど、映画ではこの“雨”を効果的に使うことで名シーンを演出している。雨がもたらす心理的効果と映画の関係とは。

【場面写真】新作『一枚のめぐり逢い』では雨上がりのキス

 降りしきる雨の中、傘もささずにキスをする二人。街でそんな光景に実際に出くわすことは滅多にないが、映像として盛り込むことでどのような効果が生まれるのだろう。『雨降りの心理学―雨が心を動かすとき―』(燃焼社/2010年刊)の著者であり、現在、聖学院大学で准教授として研究を続ける藤掛明氏に話をうかがった。

 雨が人をひきつける理由について、同書では「人は雨を心象イメージとして利用しながら、自分の生き方や大きな決断を過去の記憶におさめている」と分析。だからこそ「人は雨の日のできごとをより印象深く思い返すことがあり、他の状況以上に記憶に強く焼き付けられる」とし、映画や小説では雨を用いることでより効果的にクライマックスを印象づけるようだ。

 映画『きみに読む物語』など数々の恋愛小説を書き、「世界で最も読まれた恋愛小説」に選ばれた米作家ニコラス・スパークス氏も重要な場面で雨を使い、より物語をドラマティックに展開してきた作家の一人。新作『一枚のめぐり逢い』(ザック・エフロン主演/16日公開)でも、水に濡れながらのキスシーンが盛り込まれ、同作についても藤掛氏は「今回登場するキスシーンは過去のしがらみを洗い流し、解放される二人の姿をより鮮やかに見せてくれる」と、水濡れシーンがもたらす効果について考察している。

 恋愛映画をヒットさせるためには、雨や水濡れのシーンをいかに効果的に用いるかが、大きなポイントといえそうだ。そのシーンを意識して観ることで、作品の印象も変わってくるかもしれない。