エリック・ダーネル監督「助け合う姿見て」 アニメ映画「マダガスカル3」(産経新聞) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120728-00000114-san-ent


>全米をはじめ、世界44カ国でオープニングNo.1(公開第1週の1位)を記録したCGアニメーション映画「マダガスカル3」が8月1日、封切られる。米ニューヨークの動物園から抜け出した動物たちが、騒動を繰り広げながら奮闘する人気作の第3弾。今作はシリーズ初の3Dも公開される。シリーズ通してメガホンをとり、脚本も手掛けるエリック・ダーネル監督が来阪し、新作を語った。(橋本奈実)

 物語は前作の舞台、アフリカから始まる。主人公であるライオンのアレックスと仲間たちはニューヨークに帰ろうと、発明などに長けた“ペンギンズ”を探しにモナコ公国のモンテカルロへ。そこで騒ぎを起こし、動物公安局の警部に追われることに。彼らはサーカス団に逃げ込み…。

 最も気を使ったのは、過去2作の背景の伝え方。試行錯誤の末、説明を大幅に省き、いくつもヒントをちりばめながら、物語を素早く展開させていった。冒頭、仲間が、寂しがるアレックスのために泥でニューヨークの町をつくる。「そこで彼らの友情や故郷に戻りたい状況が分かる。登場人物の感情から理解し、共感してもらうことが重要。誰もが、すぐ入り込めるものになったと思う」

 初の3Dを作ってみて、今シリーズに合っていると気付いた。「もともと奥行きを使った撮影をしていたので。今までのやり方をほぼ変えずにできた」。特に、カナダのエンターテインメント集団シルク・ドゥ・ソレイユにヒントを得たという幻想的なサーカスの場面は3D映像でより楽しめる仕上がりになっている。

 「一番の願いは、観客が楽しい時間を過ごすこと」という笑いと感動の冒険シリーズ。だが、そこには大人の心にも響くメッセージが込められている。1作目は「どこにいるかではなく、愛する人といることが大事」。2作目が「他人のしいたレールではなく、自分の道を自分らしく生きる」。そして今作は「夢や情熱を追求し、自分の居場所を見つけること」だ。

 ダーネル監督は、哲学者エマーソンの言葉「人生は旅であり、目的地ではない」がモットー。「人生という旅の中で学び、成長していく。時にリスクを承知で新しい挑戦をしながらね」と話す。

 医師の父の影響で理系に進むが、コロラド大学では放送ジャーナリズムを専攻。卒業後、カリフォルニア芸術大で実験アニメーションを学んだ。「本格的に今の業界に入ったのは27歳。でも、理系にいたから技士と深い話ができる。報道を学んだことは脚本を書くのに役立つ。夢に向かうのに、期限も、無駄なことも何もないんですよ」

 今回、来日して感じたことがある。震災の爪痕を乗り越えようとする日本の姿に、今シリーズのテーマを見た。「個々に最善を尽くしている人々が、助け合うことによってさらに、一人の能力を超えたすばらしいものを生み出す。主人公たちのそんな姿は、日本人の方々と重なると思います」