そして最後の最後までカッ飛んでるんだよね、ノオミ・ラパス。その激しさと逸脱ぶりにはマイケルさえも追いつけないという……。それが人間というものの性(さが)なんだとリドリー監督はいいたいのか。知的探求心を追い求めた結果どうなるのかは「遊コン」が見事に語ってくれたのだけど。


「遊星からの物体X」にしても、「死霊のはらわた」にしても、結局埋まってたものを掘り起こしちゃったのがいけないわけで。「好奇心は猫をも殺す」という諺はまっこと正しいと繰り返し訴えているわけですな。でも好奇心や知的探求心がなければ人類は現代に至る文化を築けなかったのも確かなので。


そこに謎があれば解き明かさずにはいられない。それは人類のDNAに最初からインプットされてるものなのか。地の果てでは足らず、空を超え、虚空の向こうまで出向いても、その心が満たされることはないのか。それは全てを犠牲にしても厭わぬ程、強い強い衝動なのか。その衝動を持たぬ者は幸福なのか。


「プロメテウス」は壮大過ぎて答えがない。というわけで消化不良に陥った方は「遊星からの物体X ファーストコンタクト」をぜひ見に行きましょう。