佐藤健×武井咲×蒼井優×青木崇高×田中偉登×大友啓史監督 大友組が自由と信頼感のなかで到達した新たなステップ(映画.com) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120823-00000005-eiga-movi


>「おろ?」というとぼけたセリフに、左のほほに大きく刻まれた十字傷――誰もが一度は目にしたことがある、最も有名な剣客ではないだろうか。その名は緋村剣心。「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された、和月伸宏の人気剣客漫画「るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―」の主人公だ。ド派手な殺陣と次々と繰り出される技の数々。実写化は不可能だと思われた同作に、NHKの大河ドラマ「龍馬伝」で知られる大友啓史監督、佐藤健、武井咲、蒼井優、青木崇高、田中偉登の若き俳優が挑んだ。映画.com編集部は、熱気が立ちこめる撮影現場で、人気原作の実写化という難題に挑戦した6人の話を聞いた。

【写真】「るろうに剣心」のキャラクターになりきった佐藤健、武井咲、蒼井優、青木崇高、田中偉登

 主人公・剣心(佐藤)は、かつて“人斬り抜刀斎”の異名で恐れられた伝説の暗殺者だ。明治維新という時代の変わり目を契機に、自らの過去を封印し、町から町へと流浪の旅を繰り返す。しかし、自らの名を語った残虐な殺人事件が発生していることを知り、己の過去と向き合うことを決心。神谷薫(武井)、高荷恵(蒼井)、相楽左之助(青木)、明神弥彦(田中)らとの出会いが、剣心が閉ざした心と向き合うきっかけとなる。

 原作の魅力のひとつは、キャラクターごとに確立された個性だ。「漫画の実写化は難しい」という大友監督は、映像化するにあたり画面に映るキャラクターを“生かす”ことを重視した。「漫画は漫画で、映画は映画。そこは張り合ってもどうにならないから、実写映画としての世界観をちゃんとつくらないといけないんですよ。漫画は二次元だけど映画は三次元で、生身の人たちが演じるわけだから、彼らの感情を大事にしたい。映画は漫画と違って生活感があるから、スーパーヒーローだけど汗をかいたり、生身の人間であるということをしっかり押さえていけば、映像として強いものが生まれるんじゃないかなと思ったんです。どうやって生身の人間として、フレームの中に存在してもらうかということを念入りにやりました」

 画面のなかで生きることになった俳優陣は、強烈なキャラクターとどのように向き合い、形にしていったのだろうか。強さと繊細さを兼ねた薫を演じた武井は、原作を読んだことはなかったそうだが、健気なヒロイン像に並々ならぬプレッシャーがあったようだ。しかし、演じるなかで確かな手ごたえを感じるようになった。「漫画の薫ちゃんを演じなきゃいけないというプレッシャーがすごく重くのしかかってきて。でも、負けてはいけないと思ったし、プレッシャーは悪いものではないと思うんです。自分でいい方向に変えていかなければいけない。芝居をするなかで、薫ちゃんが自分になじんでくる感覚を感じています」

 実写化における最大の障壁となったのは、アクションシーンだ。「殺陣は芝居と一緒で生き物」だと言う大友監督は、CGではなくあくまで人力でのアクションにこだわった。「超人的な技を実写化するのは引いちゃうんだよね。できるだけ、人間ができることにしておくという発想を持っています」。そして、ハードルの高い大友監督の要求に、佐藤はしっかりと応えている。「実写化で1番気になる点はアクションだと思った」と原作ファンの視点に立ち、クランクイン前から徹底した訓練を積んだ。撮影が始まった昨年8月の段階では「何回も練習するんですが、現場の本番で出しきらなければいけないところが難しい」と語っていたが、クランクイン間近の段階では「原作に忠実というよりも、僕の理想の剣心像を演じている。今まではいい感じ」と目を輝かせた。


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