ガンダムのニュータイプに人類の未来の進化を託せ!(シネマトゥデイ) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120829-00000023-flix-movi
極地やへき地でのフィールドワークを中心とする研究を行っており「日本のインディ・ジョーンズ」とも呼ばれる生物学者の長沼毅氏が、巨匠リドリー・スコット監督によるSFミステリー大作映画『プロメテウス』にコメントを寄せた。
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人類の起源を探るための調査チームを乗せた宇宙船プロメテウス号に乗り、未知の惑星に降り立つことから始まる冒険が描かれた本作。そこで彼らは「神」の領域ともいえる神秘に遭遇することになる。長沼氏が人類の起源を追究する原動力は、人間の持つ助け合いや分かち合いの「美徳」と暴力性の「悪徳」の両面をよく知り、それをコントロールする点にあるという。
劇中では科学者エリザベス(ノオミ・ラパス)を筆頭に、パンドラの箱を開けてしまった乗組員たちが、それぞれ迷走する姿が描かれるが、その状況こそがまさに「悪徳」なのだ。5万年前、急速な知的進化を遂げたホモ・サピエンスの子孫であるわれわれは「創世記」の中のカインとアベルの兄弟殺しに代表されるように、同胞殺しという悪徳を経て文明を築いたのかもしれない。だからこそ人類には悪徳を根絶し、美徳を伸ばす方向で進化してほしいと長沼氏は力説する。
そして「わかりやすくいえば、機動戦士ガンダムにおけるニュータイプのようなものですね」とコメント。人類には美徳を持った「ニュータイプ」に対して差別や排除を行わず、明るい未来への先導者として保護するような、意図的な進化を目指してほしいのだそうだ。
長沼氏は「ホモ・サピエンス(賢い人)」といわれる人間も、いつか絶滅の日を迎えるなら、美徳を持ったニュータイプの新人類へと進化して終わりませんか? その新人類をわたしは“ホモ・パックス”(平和なヒト)と呼びたいです」と結び、将来への希望を託した。(文:平野敦子)
映画『プロメテウス』は全国公開中