トム・クルーズに観せた!新興宗教サイエントロジーに影響受けたアンダーソン監督最新作ベネチアに【第69回ベネチア国際映画祭】(シネマトゥデイ) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120902-00000013-flix-movi


 ポール・トーマス・アンダーソン監督『ザ・マスター(原題) / The Master』が現地時間1日、第69回ベネチア国際映画祭コンペティション部門でワールドプレミア上映された。先に行われた会見でアンダーソン監督は、同作品の主人公は新興宗教サイエントロジーの創始者L・ロン・ハバードからインスピレーションを得たこと、さらに同教団の広告塔である米俳優トム・クルーズに映画を観せたことを明かした。

 同作品は、アルコール依存と気の粗さで職を転々としていた退役軍人(ホアキン・フェニックス)が、新興宗教の教祖(フィリップ・シーモア・ホフマン)と出会い共に人生が大きく変わっていく物語。公開前からすでにハバードの人生と酷似していることが話題になっていただけに、この日の会見でもサイエントロジーに関する質問が集中した。

 アンダーソン監督は影響を受けたことを認めつつ「でもこれはカリスマ的男とトラブルメイカーの男2人にフォーカスしたもので、彼らの愛を描いたものだ。それにサイエントロジーの闇の部分をすべて知っているワケじゃない。特に最近のことはね」と説明。『マグノリア』で共に仕事をして以来、トムとアンダーソン監督は友人関係にあるが「映画を観せたが、彼とはいまだに友人だし、僕たちの関係は変わらない」と二人の間に、何ら問題がないことを強調した。

 会見には、俳優引退→ラッパー転向を宣言したものの、それがすべてセルフドキュメンタリー『容疑者、ホアキン・フェニックス』のネタだったというお騒がせのホアキンも参加。役づくりについて質問を受けたものの、「僕が言えるのは……わからないけど、たぶん(監督の)ポールが(イメージを)与えてくれた」と曖昧に答えたのみ。その後、突然、会見を中座したかと思ったらタバコ片手に現れて、禁煙の会場で堂々一服するなど、終始落ち着かない態度を見せていた。

 しかし劇中でも会見でも、一時期の自堕落な体型とは比べ物にならないような絞まったボディに戻っており、俳優ホアキン復活を印象付けていた。(取材・文:中山治美)

第69回ベネチア国際映画祭は9月8日まで開催