現代の“白雪姫”リリー・コリンズ 好奇心旺盛なプリンセスの輝きのヒミツ(cinemacafe.net) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120903-00000007-cine-movi


おとぎ話の代表格「白雪姫」は、毒リンゴを食べてしまった美しいお姫様が素敵な王子様のキスで目覚めるというお話。けれど、現代を生きる女性は美しいだけじゃ生きていけない! 助けを待っているだけじゃ生きていけない! そこで、美しく可憐なお姫様という設定はそのままに、自分の運命は自分の手で切り開く強い意志を持った“新しい”白雪姫が誕生。『白雪姫と鏡の王女』で現代版白雪姫を演じるのはリリー・コリンズ。この役は彼女のための役! と言えるほどのハマリ役となった“新”白雪姫とリリーには、いくつもの共通点があった。

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等身大の「白雪姫」を演じられたワケ

これまでの白雪姫とは違い、たくましさがプラスされたヒロインにリリーも大いに共感。「そうなの! (継母の女王に)お城に閉じ込められているときは、若くてナーバスなお姫様だけれど、成長するにつれて精神的にも肉体的にも自分の信じるもののために戦うことのできる女の子になる。現代の女の子たちが共感できる、誰でも友達になれそうな白雪姫だと思うわ」。たしかに! 王子様との胸ときめくロマンスもあるけれど、助けてもらった7人の小人のギャング団に仲間入りし、彼らから戦術と生き抜く知恵を教えられ、お姫様から勇敢なヒーローへと成長していく、アクロバティックなアクションを繰り広げる白雪姫はかなり新鮮だ。しかしながら、世界中で定着している白雪姫の既存イメージを壊すことなく一新することは、リリーにとって大きな挑戦であり…「目に映るものすべてに好奇心を抱いたわ。でも、最初はナーバスでちょっぴり不安だったの」と心中を明かす。「白雪姫が成長したように、鏡映しのように私自身も成長できたと思っているわ。白雪姫はこうと決めたら自分の力で未来を形にできる、運命を切り開けることを知っているヒロインで、演じながら私自身もそれを実感していたの。具体的には、周りから助けを借りること、自分自身をありのまま受け入れること、そういうことができるようになった。こう見えても、私もこうと決めたらやり遂げるし、パッションも持っているし、タフなところがあるのよ(笑)」。いたずらっぽく微笑む表情には、やわらかさと芯の強さが垣間見えた。

この日、リリーが身に着けていたのはエレガントな「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」の上下と「バーバラブイ(BARBARA BUI)」のハイヒール。凛々しい眉、漆黒の髪、引き込まれる瞳…彼女のパーツすべてが衣裳以上に華やいでいると言えば、女優リリー・コリンズの輝きがどれほどのものか伝わるだろうか。もちろん、外見だけではなく内面も──5歳から演技を学び、15歳でファッション雑誌「ELLE girl」に寄稿し、ほかボランティア活動に携わるなど様々なことにチャレンジする精神も素晴らしく、世界的ミュージシャン、フィル・コリンズの娘という重圧をはねのけるほどの魅力を彼女は自身の努力によって得ている。だからこそ「リリー・コリンズらしい白雪姫と言ってもらえるのは、本当に嬉しいわ!」と、ワントーン高い声で喜び、こう続ける。「人生、いろいろなことをするべきだと思うの。それが役者の仕事に応用もできるでしょう? たとえ経験したことが役として直接描かれなかったとしても、キャラクターのバックストーリーに応用することもできる。今回の白雪姫にしても、リリー・コリンズとして生きてきたものをはき出すことによって、私なりの白雪姫を演じることができたと思うの」。

「私が望む王子様は、最高の自分を感じさせてくれる人」

そんな彼女が最近凝っているのは写真と料理。「モノクロの写真を撮っているんだけれど、カメラを持って街に出ると、時間があっと言う間に過ぎてしまうのよね。料理は、レシピ通りに作るのではなくて、オリジナルレシピを考えたりもするのよ。よく作るのは…パン系ね! 仕事(役者)とは関係のないカメラや料理に集中することは自分を解放することにもつながってセラピーにもなるの。料理に関しては、最終的に美味しいものを食べられるから、いい趣味だと思わない?」。来日は3度目。過去に2度プライベートで日本を訪れているそうで、今回の滞在中もカメラ片手に原宿や渋谷の街でショッピングを楽しんだそう。で、何を撮影したの? 「街を散策して気に入ったのは、プラスチックでできたお寿司のディスプレイとか、あれはとても面白いわよね! 街のネオンもいいし、日本人のファションも素敵よ」。

彼女の好奇心旺盛な性格はそのまま白雪姫とぴたりと重なり、女王に惑わされる王子(アーミー・ハマー)と奪われた国を取り戻すことを決意する白雪姫は何とも凛々しく美しくスクリーンに映し出される。そして、白雪姫と王子を「理想のカップル」だと言い、自身の恋愛観を交えてラブストーリーとしての魅力を語る。「私が望む王子様は、ありのままの自分でいいんだよ、そのままの自分で十分だよ、と感じさせてくれる人、たとえ嫌なことがあって最悪だな…という日であっても、最高の自分を感じさせてくれる人。何かあったときには支えてほしいけれど、ひとりで行動するときに応援してくれる人かしら。笑わせてくれるというのも大切ね! アーミー・ハマーの演じた王子については、そうね…ちょっとヘタレなところもあるけれど(笑)、彼は白雪姫のことをひとりの人間として認めてくれるし、同時に女性としてもリスペクトしてくれる。何よりお互いが愛し合っているんだもの、理想のカップルと言えるわよね」。

憧れる女性は「家族」

その理想のカップルを脅かす存在、究極のワガママ女王を演じるジュリア・ロバーツとの共演もリリーにとっては素晴らしい経験だった。絵に描いたような悪役を全く逆のイメージを持ったジュリアが演じているのは大きな見どころだ。しかも邪悪なのにチャーミングなキャラクターを作り上げたのはさすが。ハリウッドの大女優相手に引けを取らない存在感を放っているリリーもただ者ではなく、「映画の中では意地悪な女王様だけど、カメラが回っていないときは優しいジュリアだったわ。今回、スクリーンで彼女が演じる悪役の一番目の“被害者”になれて光栄よ!」と、ユーモアたっぷりに答える。白雪姫と女王という異なるキャラクターは女性にとっての憧れであり反面教師であるけれど、リリー自身が理想とする、憧れるのはどんな女性なのかも聞いておきたい。「まず、私の母が理想の女性と言えるわ。子供の育て方も素敵だし、何か困ったときにはアドバイスをくれるし、いつもサポートしてくれるの。尊敬すると同時に一緒にいると楽しくて、まるで親友のようでもあるの。また、祖母はバレリーナだったんだけれど、優美さとドライなユーモアも持っている女性で、よく笑わせてもらったわ。母と祖母は私にとってかけがえのない存在。だから、憧れる人は“家族”と答えさせて」。そう答えたリリーを憧れの女性として目指す人もきっと多いはず。

ターセム・シン監督が作り出す唯一無二の独創的な世界観、アカデミー賞受賞歴のある石岡瑛子氏の渾身の衣裳の数々(この作品が彼女の衣裳デザイナーとしての遺作)──圧倒的な“美しさ”の中で輝くリリー・コリンズのきらめきがどれほどのものか、その目で確かめてほしい。美しいものはすべての女性をハッピーにする! いざ、見たことのない白雪姫の世界へ。

(text:Rie Shintani)

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