ロバート・レッドフォード監督・主演作、ベネチアで大きな称賛得る(映画.com) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120910-00000008-eiga-movi


第69回べネチア国際映画祭も終盤を迎えた9月6日(現地時間)、アウト・オブ・コンペティション部門でロバート・レッドフォード監督・主演の「The Company You Keep」が上映され、大きな称賛を得た。

 妻に先立たれた弁護士のグラント(レッドフォード)は、娘とふたり暮らし。だが、70年代の過激なアクティビストで30年間逃亡していた女性が逮捕されたことをきっかけに、彼の過去が次第に明らかになり、その平和な生活が脅かされていく。政治的イデオロギーを掲げ理想主義を貫くなかで、過去に間違いを犯した者たちのそれぞれの生き方を描写した、レッドフォードらしい誠実で骨太な作品だ。若手新聞記者役のシャイア・ラブーフのほか、ジュリー・クリスティ、ニック・ノルティ、スーザン・サランドンらベテラン陣がそろい、味わい深い演技を見せる。

 同様に政治的題材を扱ったもので評価が高かったのが、68年、フランスの五月革命を生きた若者たちを描いたオリビエ・アサヤスの「After May」。もっとも、こちらは当時13歳だった監督の個人的な経験が収められた、よりパーソナルな作品である。政治的なメッセージやイデオロギーを訴えるのではなく、激動の社会に青春時代を左右された若者たちの心情に寄り添った、ノスタルジックでエモーショナルなトーンが胸に響く。

 これまでインディペンデントな作品を撮り続けていたハーモニー・コリンが、ジェームズ・フランコや、ティーン・アイドルのセレナ・ゴメス、「ハイスクール・ミュージカル」のバネッサ・ハジェンズらを起用して作った「Spring Breakers」も、コンペティション部門で上映された。ハイティーンの少女たちが金銭目的でダイナーを襲撃、警察に捕まるも武器ディーラー(フランコ)の援助で保釈される。

 終始テクノミュージックが流れるなか、全編をPVのような映像スタイルで描き、作品全体が現代のアメリカのティーン・カルチャーのメタファーとなっている。ラッパーのようなフランコの変装ぶりは見もの。とはいえレッドカーペットではフランコよりもゴメスやハジェスの人気ぶりが圧倒的で、会場周辺がまるでアイドルの出待ちをしているようなティーンたちで埋まっていたのが印象的だった。