堺雅人、香川照之との競演に白旗?「演技合戦では僕が不利だと思った」(オリコン) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120919-00000351-oric-movi


俳優・堺雅人が、主演作『鍵泥棒のメソッド』(公開中)で共演した香川照之と広末涼子とORICON STYLEで対談した。映画製作が発表された当初は「堺 VS 香川の演技対決」と、実力派2人の“競演”に注目が集まったが本人たちにとってはどこ吹く風。それぞれの役作りや、今回の共演で生まれた男同士の絆を語った。

【特集】広末が、思わず堺に「ずるい!」と思った瞬間とは?

 緻密な伏線、かつ大胆な構成力とエンターテインメント性の高さで海外の映画祭でも高評価を受ける内田けんじ監督。最新作の製作決定が発表された当時、堺と香川という今や日本を代表する俳優たちの演技対決に関心が集まったが、堺は「どちらかというと、ぼんやりした方へ持っていったというか。それは相手が香川さんだったから(の役作りであった)という気はします」と、ニュートラルな状態で撮影に挑んでいた。

 堺は周囲がどのような期待を寄せているのかを感じ取っていたからこそ、今回は「香川さんが共演だと聞いていたので、演技合戦のような捉え方をされて、そういったキャッチを付けられては(僕が)不利だ!と思った」と胸の内を明かすと、この“白旗”とも捉えられかねない発言には両脇に座っていた香川と広末が思わず吹き出した。

 改めて撮影を振り返り、堺は「僕にはコメディだからこうしようという引き出しはないんですが、演技が上手すぎても下手すぎてもダメ。さじ加減が難しかった」と述懐。広末は「堺さんの、恥ずかしげもない下手な芝居をする芝居もズルい!」と、その無自覚なコメディセンスを称賛すると、香川も「(堺が)下手な芝居をどうやってくるのか? それを観ているだけでも役者冥利につきますよね」と賛同した。

 印象深いシーンとして、香川は劇中で演じる殺し屋コンドウが役者・桜井(堺)に真剣に演技指導をする場面を挙げ「あれ、本当は笑っているんです」と裏話を漏らす。このカットでの桜井は、殺し屋に刺され、その足にすがりつきながら絶命するという芝居を披露。堺はカメラに背中を向け、後ろ向きのまま崩れていくのだが、「この人(堺)の顔をモロに見ているのは僕だけなんです。僕の顔を見ながら床に沈んでいくんですが、もうね、笑わずにはいられない顔を堺さんはしているんです」と思い出し笑い。

 堺は「本気だったんだけどなぁ」と頭を掻きながら笑うが、「本気でスキがある芝居だから面白いんですよね。下手を装う芝居ではなくて、どれだけ本気でやるかが面白い」と香川。「そんな本気の堺さんをアリーナ席(目の前)で見られたのはよかったですね(笑)」と、男同志の友情にも見える、映画を通じて生まれた絆を語った。

 映画『鍵泥棒のメソッド』は現在公開中。貧乏役者・桜井が、記憶喪失となった金持ち風の男・コンドウを騙し、上手く人生をすり替えて大金を手にするも、相手の職業が実は“殺し屋”だった…。仕事、請け負いますか? 逃げますか?? 崖っぷちに立たされるなか、2人の間に事情をまったく知らない女性編集者も割り込んできて……。内田監督らしい笑って泣けるアンサンブルをハイスピードで展開する。