まさかの展開!?イーストウッド出演最新作がジェイク・ギレンホールの新作に敗北!【全米ボックスオフィス考】(シネマトゥデイ) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120925-00000059-flix-movi
この週末は、日本での知名度はそこまで高くないジェイク・ギレンホール主演のサスペンス映画『エンド・オブ・ウォッチ(原題) / End of Watch』が、何とクリント・イーストウッドの新作をけ散らし、ジェニファー・ローレンスの新作と大接戦を繰り広げた末、首位をもぎ取り全米ナンバーワンに輝くという波乱が起きた。2,730館で封切られ1,315万ドル(約10億5,200万円)の興収を上げた『エンド・オブ・ウォッチ(原題) / End of Watch』は、第2位のジェニファー・ローレンス新作と、およそ87万ドル(約6,960万円)の僅差! (1ドル80円計算)
今週第3位の映画『人生の特等席』場面写真
1,229万ドル(約9億8,320万円)の興収で、初登場第2位となったジェニファー・ローレンス主演のスリラー映画『ボディ・ハント』の封切館数は3,083館、そして1,216万ドル(約9億7,280万円)で第3位に甘んじたクリント・イーストウッド主演映画『人生の特等席』の封切館数は3,212館と、いずれも第1位の『エンド・オブ・ウォッチ(原題) / End of Watch』を大きく上回っているにもかかわらずこの両作品はトップを取れなかったのである。
出演俳優陣においても、『ボディ・ハント』は映画『ハンガー・ゲーム』以来ハリウッドのA級タレントとなっているジェニファーが主演。『人生の特等席』においてはイーストウッドが主演を務め、エイミー・アダムスが共演しクリントの娘を演じ、ジャスティン・ティンバーレイクがエイミーの恋のお相手を演じるという豪華キャストだ。かなりのハンデを背負っていたにもかかわらず、これらの強豪2作品を振り切って首位に輝いた『エンド・オブ・ウォッチ(原題) / End of Watch』は大したものである。
イーストウッドの新作が不調だったことに関してはさまざまな意見が飛び交っているものの、少なくとも先日フロリダ州のタンパで行われた共和党大会での友情出演におけるイーストウッドのきてれつなアドリブ劇は、新作のPR観点から見て決してプラスにはなっていない。ステージに上がったイーストウッドは、誰も座っていない椅子を自分の横に置いて透明の(!?)バラク・オバマ大統領と妙なアドリブ劇を繰り広げたのである。これに加えて映画でイーストウッド演じるキャラがいつもの頑固オヤジ系で、ストーリー構築のマンネリ化なども新作低迷の理由に挙げられる。
第4位は、先週の第2位からダウンした2003年に公開され大ヒットした作品の3D版となる映画『ファインディング・ニモ 3D』で、964万ドル(約7億7,120万円)。公開後10日間の興収は3,018万ドル(約24億1,440万円)で、これは最近公開された3D版再リリース作品の中でもかなり低く、同じ系統の作品の映画『ライオン・キング/ディズニー デジタル 3D』の同時期興収のおおよそ半分程度だ。第5位はトップから一気にダイブしてしまった映画『バイオハザードV:リトリビューション』で670万ドル(約5億3,600万円)。何と68.2パーセントも興収減となってしまったシリーズ5作目だが、この結果が映画『バイオハザード』シリーズにどのような影響をもたらすだろうか。
次週のランキング予想だが、今週末の封切り陣を見たところではトップの有力候補は封切予定館数3,300館のソニー・ピクチャーズのアニメ作品『モンスター・ホテル』だろう。出せば外れることのほうが珍しいファミリー・ファンタジー系アニメ作品で、かわいくユーモアたっぷりのモンスター達がたくさん登場。大人も子どもも楽しめるアニメになっており、シーズン的にもハロウィン約1か月前に公開と、タイミングは絶妙だ。3D上映もあることから興収にも期待がかかる。
もう1本の新作はジョセフ・ゴードン=レヴィットとブルース・ウィリス共演の近未来アクション映画『LOOPER/ルーパー』。今週ナンバーワンとなった『エンド・オブ・ウォッチ(原題) / End of Watch』のライバルとなりそうな作品だが、あえて欠点を探すなら主演のジョセフの影の薄さで、最近彼が主演した映画『プレミアム・ラッシュ(原題) / Premium Rush』の不発度から見ても、この作品で1本の映画を背負える器のあることを証明しないと、主演級アクターへの出世を目指しているジョセフのキャリアに大きく差し障ることになるだろう。