『踊る』、織田と深津のキスは幻に… 本広監督のたっての案は却下されていた(オリコン) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120926-00000340-oric-movi
国民的人気作の完結編として現在公開中の映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』。ドラマスタート時から監督を務めてきた本広克行氏が、同作への熱い思いをORICON STYLEのインタビューで語った。15年の集大成となるファイナルで、本広監督は主演の織田裕二と深津絵里が演じた青島俊作と恩田すみれのキスシーンを提案していたが、「周りから『10年前だったら見たいけど、今は……』という声が多くて(笑)」と、あえなく却下されたことを告白した。
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監督として自身の出世作ともなった『踊る』が遂に幕引きとなった今回。本広監督は今作が最後と知った当時を振り返り「ずっと『終わりって何だろう……』と考えていたんですが、『4』ではなく『新たなる希望』という言葉を入れると聞いて、ああ、本当に終わらせるんだなと思いました」と名残惜しそうな表情を見せた。
脚本家の君塚良一氏は、これまでの『踊る』では禁じ手としてきた手法のすべてをファイナルに注いだと話していたが、「監督として何をもって終えるのかを考えたとき、見たことのないシーンを入れることが“終わる”ことだと思えた」と本広監督。二人は全く同じ思いを持って挑んでいた。
今回の撮影で最も思いれの深いシーンについては「そうですね…、特にこだわったのは、青島とすみれさんのラストのシーン」と間をおいて回答。「僕的には本当はあの二人にキスをさせてやろうと思っていた」と“禁じ手”を提案したというが、あえあく玉砕。「結果的に、キスシーン以上の芝居を見せてくださいとお願いしました。二人にとってはプレッシャーになってしまったようです」と朗らかに笑った。
本広監督に今作の好きなシーンを尋ねると、「ラストのほうで、和久くん(伊藤淳史)が青島とすみれの二人を見て驚くシーンがあって、それがすごく好きなんですよね」と、嬉しそうに回答。「“踊る”の基本に第三者の視点というのがあって、感情が高まるシーンでは必ず誰かが見ている。そう描くことによって感情を表しているんです。今回は伊藤淳史に『お前が失敗したらこのシーンは総崩れだからな!』って何度もプレッシャーをかけました」と笑い、「最後は美しい画で終わらせたかったので、ああいった形で締めています」とこだわりを明かした。