野村萬斎の分からない部分がスケール感に 映画「のぼうの城」 (産経新聞) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121103-00000514-san-ent
和田竜(42)のベストセラー小説を映画化した戦国エンターテインメント大作「のぼうの城」。「ゼロの焦点」の犬童一心(52)と「日本沈没」の樋口真嗣(47)が共同監督で作り上げた。戦国末期、たった500人で2万人の豊臣軍にけんかを売った“でくのぼう”の物語だ。共同監督をもちかけたのは犬童監督で、「樋口さんがいてくれたおかげで、ビジュアル的に強いキャラクターをつくることができた」と話す。
脚本家の登竜門といわれる城戸賞を平成15年に受賞した和田のオリジナル脚本を基に、和田自身が書き下ろした小説は20年の第139回直木賞候補となった。8年越しの製作となった映画では、石田三成(上地雄輔)が仕掛ける「水攻め」の迫力、両軍の愛すべき人物たちが織りなす人間ドラマが描かれる。
天下統一を狙う豊臣秀吉(市村正親)は関東の雄、北条家に大軍を投じるが、最後まで落ちなかったのが武州・忍城(おしじょう)。湖で囲まれた「浮き城」の異名を持つこの城の城主は、不思議な人柄で農民たちに“でくのぼう”の意味である「のぼう様」と呼ばれる成田長親(ながちか)(野村萬斎)。天下軍を指揮する三成が降伏を迫るが、長親は「戦いまする」…。
野村に主演を頼んだ理由は、存在感や狂言師としての才能と経験だった。「ぱっと見が世の中からはずれた感じで、クライマックスの田楽踊りを苦労せずにやれる人だから」と犬童。その野村に演出をほどこし、「最後までどういう人か分からなかった。そこがのぼうとそっくりで、分からない部分がスケール感になった」と話す。
忍城軍の男勝りなヒロイン、甲斐姫に榮倉奈々、軍略の天才を自称する靱負(ゆきえ)役に成宮寛貴、力自慢の豪傑、和泉役に山口智充(ともみつ)、のぼう様の幼なじみで戦上手の丹波に佐藤浩市など共演陣も豪華だ。