アカデミー賞より面白いエンターテインメントショー!? 国民も盛り上がるポップな米大統領選(シネマトゥデイ) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121105-00000083-flix-movi


ニールセン社によると、先日全米でテレビ放映されたオバマ現大統領vs.ロムニー候補の最終討論会の全米における視聴者数は約5,920万人と発表されており、今年2月に放映された第84回アカデミー賞の視聴者数約3,930万人を大きく上回り、アメリカの大統領選がいかに国民的な大イベントであると同時に壮大なエンターテインメントショーであることも見て取れる。

 遊説先でオバマ大統領は、ロムニー候補がいつも自分に都合よく、以前言ったことを覚えていないふりをするのを皮肉り、「ロムニー氏はアムネジア(記憶喪失)ならぬ“ロムニジア”に悩まされているようだけど、わたしの推進する健康保険法があれば大丈夫! 先天性ロムニジアもちゃんと面倒見ますよ!」と言って大ウケ。それ以来“ロムニジア”という言葉が全米の流行語になってあちらこちらで使われ出した。

 また大統領候補を指名する党大会のとき、オバマ大統領と応援演説に駆け付けたクリントン元大統領が熱く長い抱擁を交わし話題となったその翌日には、オバマ夫人が「あの二人は“ブロマンス”な関係なのよ」と言ったことで、兄弟(ブラザー)とロマンスという言葉を掛け合わせた言葉“ブロマンス”という造語が流行語として再燃。これはかつて、ベン・アフレックとマット・デイモンが映画『グッド・ウィル・ハンティング』でアカデミー脚本賞を受賞したときにはやった言葉で、男同士のピュアな熱き友情を指す造語だが、かくも米大統領選はポップなイベントなのである。

 ちなみに大統領候補の討論会や選挙戦は、スポーツのプレイオフさながら街のスポーツ・バーなどが店内の大スクリーンで放映、「観戦」できるようになっている。そういった日にはそれぞれの候補者にちなんだスペシャル・ドリンクやフードが用意され、たくさんの人が押し掛けてお気に入りの候補者にエールを送ったりライバル候補者に野次を飛ばしたりする。

 いよいよ今月6日に迫った大統領選挙は連日ヒートアップ。その様子はテレビで逐一放映され、米国民はその様子をまるでお気に入りのスポーツ・チームを応援するかのような構えで楽しみ、「観戦」している。国民の直接投票で総理大臣が決まるわけではない日本で、米国と同じような盛り上がりや“ポップ”さを期待することはできないが、国民が感情移入したくなるような政治のあり方を探るという点でにおいて、日本の政界も米国を見習うべき部分があるのではないか。