2005年に映画『ブロークバック・マウンテン』でアカデミー賞監督賞を受賞したアン・リー監督最新作『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』の予告編が公開され、米誌が「次の『アバター』だ!」と評した映像世界が明かされた。

映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』予告編

 『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』は、世界的に権威のある文学賞の一つブッカー賞を受賞したカナダ人作家ヤン・マーテルの小説「パイの物語」を映画化したもの。父親が経営する動物園でさまざまな生き物と触れ合い、16歳までをインドで過ごした少年パイが、カナダへの移住のため、家族、動物園の動物たちと共に航行中に嵐に見舞われ、生き残ったトラと共に太平洋をさまようことになるというサバイバル・アドベンチャー作品だ。

 9月28日から10月14日まで開催されていた第50回ニューヨーク映画祭では、オープニング作品として上映された本作。「想像を超える壮大なスケールと驚異の世界観! これが次のアバターだ!!(タイム誌)、「本年度最高傑作! 幻想的な究極の映像美。これほど素晴らしい3D映画は『アバター』以来!」(ニューヨーク・ポスト紙)と米各メディアもその映像世界を絶賛していたのも印象的だった。

 予告編の前半は、洋上で嵐に見舞われるシーン。動物たちが波にのまれていく姿を迫力の映像で描く。そして、次に場面が切り替わり映し出されるのは、一転、明るい太陽に照らされた小さなボートと少年の姿をファンタジックに捉えた映像。そこに現れる、本来海にいるはずのないトラの存在が、これまでにない物語を想起させ、神秘的な海の映像と予告編を彩ったコールドプレイの楽曲「パラダイス」が、物語の壮大さを表現している。

 オーディションで選ばれた無名のインド人少年スライ・シャルマを主演に抜てきし、フランスの名優ジェラール・ドパルデューらが脇を固めた本作。アン・リー監督が生み出した新たな映像世界に期待が高まる。(編集部・島村幸恵)

映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』は2013年1月25日よりTOHOシネマズ日劇ほかにて全国公開 3D、2D同時上映