マーティン・フリーマン&リチャード・アーミティッジ「ピーター・ジャクソンの描く中つ国は本当に素晴らしい!」(Movie Walker) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121218-00000007-mvwalk-movi
12月14日に公開された『ホビット 思いがけない冒険』は最新技術のHFR3Dを初めて採用、『ロード・オブ・ザ・リング』トリロジーを手がけたピーター・ジャクソンが引き続き監督を務め、全米では興収8477万5000ドルと、これまで『アイ・アム・レジェンド』(07)が持っていた12月のオープニング興収記録を塗り替え、2012年度のオープニングでも第6位と上々の滑り出しを見せた。また世界興収でも2億2297万5000ドルとなっており、年末に向けてどこまで数字を伸ばせるかにも期待がかかっている。そんな本作で主演のビルボ・バギンズを演じたマーティン・フリーマン、そしてドワーフ12人を束ねるトーリン・オーケンシールドを演じたリチャード・アーミティッジに、来日時にインタビュー!
【写真を見る】ふたりの人柄はさながらホビットのビルボにドワーフのトーリンだった
――ホビット、ドワーフ、おふたりは非常に重要な役どころを演じていますが、トールキンの原作、そしてピーター・ジャクソン監督『ロード・オブ・ザ・リング』トリロジーから影響は受けましたか?また演じるうえで最も気をつけたことは何でしょうか?
マーティン・フリーマン「誰も知る有名な原作があり、それは全ての源ですね。そこから逸脱するのは間違いだけど、本作の監督であるピーター・ジャクソンが小説を書いているわけではなく、そしてトールキンが脚本を書いているわけでもない。原作は1937年に誕生し、映画は2012年のもの。そういう意味では今、同じような作品を作ることはできないし、同じように演技はできません。私が演技するうえで最も気を配ることは、見ている人たちがこれはあり得ると思ってくれるもの、信じられるものでないといけないということです。そうでなければ、どんなに頑張ったところで見る意味がなくなってしまうからね」
リチャード・アーミティッジ「原作という立派な文字があることは僕にとって喜びでした。文学上の人物を演じることは嬉しいことです。なぜなら、何か困ったり、迷ったりしたら、文字にバックすれば良いからです。参照する文学がそこにある。特に私が演じたトーリンは原作でも性格や行動が明確に描写されていました。それはとても有り難かったですね。そして、何よりピーター・ジャクソンの描く中つ国は本当に素晴らしいものです。見たとおり、トーリンは私よりも身体は小さいですが、本当に大役でした。トーリンの過去、感情といったものを意味あるものにしなければいけなかったし、本当に大変だと思う気持ちが強かったのですが、情熱を持って演じましたよ」
――ビルボは非常に危険な冒険に出てしまうわけですが、おふたりは同じ状況に置かれた際、バギンズの血かトゥックの血か、どちらが強くなると思いますか?
マーティン「私はバギンズですね。命がなくなるとわかっていて戦いに行く人はいないですよね。たとえそれが冒険だと知っていてもね」
リチャード「私もバギンズが6割ぐらいかな。私は今の状況を劇的に変えようという勇気は持っていますよ。ただ、戦いに命をかけるというのは違うでしょうね。ドワーフたちは故郷を取り戻すために、そしてビルボは故郷である家が恋しい。実に興味深いところです」
――ドワーフ強化合宿をしたと聞いたのですが、それは本当ですか?
リチャード「そう、私たちはドワーフの動きを指導してもらいました。衣装もブーツも何から何まで重たくて、その状態で歩き、走ったりしなければいけないので、とてもハードでしたね。あとは言葉を使わない、サインでの意思疎通方法とか、ナイフなどを使っての戦い方もね」
マーティン「ドワーフは戦いに長けているけど、ホビットはそうじゃないからね。私は役者として必要なエクササイズをやって、スタントの人たちが知る必要のあることをやりました。リチャードとも一緒にエクササイズをしましたが、私はスポーツドリンクを飲みながら何とかついていったけど、彼は平気な顔をして黙々とこなしていたから、ちょっと羨ましかったよ(笑)」
――劇中、ガンダルフが「勇気とは人を助けるために発揮するもの」というセリフが印象的です。撮影中に勇気を試されたシーン、また困難だったシーンはありましたか?
マーティン「第2作目の内容なので、ここで詳しく言えないのですが、水と岩のシーンですね。この時は毎日無事を祈ったぐらい危険の連続でした。骨が折れそうになるのはしょっちゅうでしたね」
リチャード「私はプロローグのバトルシーンですね。2ndユニットの撮影で、6体のオークと戦うシーンです。トーリンは身長が低く、逆にオークはかなり高くて高低差があったため、自分が楯を振り回した時に、その楯が歯に当たって唇に食い込んでしまい、盛大に血が飛び出てしまったんですね。それを見たアンディが『これは良いぞ!格好良い!』とかなり喜んで。僕は散々だったけど、監督のアンディが喜んでいるから、まあ良いかと(笑)」
終始にこやかに対応してくれたマーティンとリチャード。共にイギリス出身のまさに紳士で、思った以上にボリュームたっぷりに語ってくれたマーティン、対照的に言葉を選ぶようにちょっと寡黙なリチャードが実に好対照で、まさに本作のホビットのビルボ、ドワーフのトーリン、そのもののイメージだった。本作はまだ第1部が始まったばかり。2013年12月13日(金)には『ホビット スマウグの荒らし場』が、そして2014年7月18日(金)には『ホビット ゆきて帰りし物語』が待っている。ふたりの俳優としてのさらなる活躍と共に続編二作にも大いに期待した。