RHYMESTERの宇多丸が語る映画『96時間/リベンジ』の魅力(ぴあ映画生活) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130110-00000000-piaeiga-movi


リーアム・ニーソンが元CIA秘密工作員に扮し、父親愛を炸裂させるアクション映画『96時間/リベンジ』が11日(金)から日本公開される。そこで先日、本作の一挙上映イベントにゲストとして登壇したRHYMESTERの宇多丸氏に作品の魅力について語ってもらった。

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本作は、誘拐された最愛の娘を救出するために冷酷非情な男に変貌した父親ブライアンの活躍を描いた『96時間』の続編で、イスタンブールを舞台にブライアンが“最強の親父”として、凶悪な集団を相手に立ち向かっていく様を、前作以上にハードなアクションを交えて描いている。

ラッパーとして活動を続ける一方で、『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(TBSラジオ/毎週土曜日21時30分から)などで映画評論も行っている宇多丸氏。前作『96時間』も番組のコーナーで評論したが『…リベンジ』は「前作よりもムダなところがなくなっている」と語る。「上映時間は前作と同じはずなんですけど、全体から浮いている部分がなくて一直線に話が進んでいくし、カーチェイスにもちゃんと伏線がきいてる。スケールアップのための続編ではなくてむしろタイトになってますよね」。

宇多丸氏はトークショーで本作を“リーアム・ニーソンの皮をかぶったスティーヴン・セガール映画”と評したが「セガールは徹底的にコントロールされた強さだけど、このお父さんは『こんなに娘を溺愛しているお父さんが娘をさらわれたら、この人どうなっちゃうんだろう?』という危うさがある」と分析。さらに本作では父ブライアンが捕らえられ、娘が奔走する場面も。「映画的にはお父さんが自由になったら最後なわけだけど、娘が強いわけではない。どうやったら観客をハラハラさせるのか、枷の作り方がうまいですよね」。

ちなみに本作の上映時間は92分。RHYMESTERの最新アルバム『ダーティサイエンス』のリリースを30日(水)に控えるなど“作り手”としての顔も持つ宇多丸氏は、この上映時間も作品の成功の秘訣だと語る。「このシリーズはプロットが極限までシンプル。しかも、前回の方がプロットが単純なのに上映時間はほぼ同じ。つまりそのぶん今回の方が、もっと余計な描写を排除してるんですよね。2作目で90分の線を守ってきたのは、作り手がこの尺がヒットの要因のひとつだってわかってるんだと思います。僕らもライブやアルバムで『これ以上、やったらお客さんが疲れちゃう』ってわかってるのに、何か足りないんじゃないか、手抜きだと思われるんじゃないかと思って足してっちゃうんですよね。だから気持ち的にはすごくわかるんですけど、90分で満足させて返す方が難しいわけで、2本目でそこをキープしてるのは『わかってんな』と思いました」。

『96時間/リベンジ』
1月11日(金) TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー