第85回アカデミー賞2部門でノミネート、特に主演男優賞ではデンゼル・ワシントンにとって3度目のオスカー受賞(主演男優賞では2度目)がかかる「フライト」のTVスポットが、このほど公開された。

> 今回の30秒のTVスポットでは、序盤から墜落の危機に見舞われる緊迫感ある映像が登場。ワシントン扮するウィトカー機長が決死のコントロールを試みるも、制御不能に陥っていく状況が映し出される。「それは奇跡の着陸のはずだった」というナレーションの後には、「君の血液からアルコールが検出された。恐らく終身刑だな」という衝撃のセリフが続く。マスコミに囲まれ、疑惑を問いただされるウィトカー。果たして英雄なのか、それとも犯罪者なのか。濃密なドラマを思わせる抱擁シーンを挟みながら、映像は緊急着陸目前のウィトカーの表情に迫り、驚がくの背面飛行シーンのあとには「奇跡を目撃せよ」とのコピーが。ロバート・ゼメキス監督とワシントン、2つのアカデミー賞の才能が初めて出合って描く壮大なドラマを想像させる内容だ。

 メガホンをとったゼメキスは「映画はエンタテインメントであるべきだ」と言う。「ドラマにはコメディは入れられないとか、アクションは入れられないとか、サスペンスは入れられないとか、とても滑稽なものを入れられないとか、そういったルールがあるなんて思わない。僕がもっとも楽しむことが出来る映画というのは、その中にさまざまなタイプのエモーションが入っているものなんだ。手掛けるのは最も大変だけど、見て一番楽しい作品になるものなんだよ」という持論は、12年ぶりの実写映画となった本作でも同じ。パニック映画のような導入部でありながら、人間の善と悪に迫るサスペンス性を内包し、さらに心の深みに入り込んでいくヒューマンドラマの要素もあわせ持つ。壮大なスケールのエンタテインメント性と人間の本質に迫るドラマの融合は、まさにオスカー監督ゼメキスの真骨頂と言えるだろう。

 「フライト」は、3月1日から全国公開。