『オズ はじまりの戦い』ミシェル・ウィリアムズが語る 「プリンセス」ができるまで(cinemacafe.net) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130304-00000016-cine-movi
「私の娘も観ることのできる映画に出たかったの」と嬉々とした表情で語る、ミシェル・ウィリアムズ。『マリリン 7日間の恋』ではセクシーに、またかわいらしくマリリンを演じ切り、ゴールデン・グローブ賞を受賞した彼女の最新作が『オズ はじまりの戦い』だ。「あらゆる正直さや利他的精神や純粋さを体現する良い魔女のグリンダを演じることに心から興奮した」と語るミシェルに、自らの役柄について、さらには現場の様子についてたっぷりと語ってもらった。
【写真】嗚呼、美しきミシェル・ウィリアムズ(6枚)
作家ライマン・フランク・ボームが生み出した伝説的ファンタジー・キャラクター“オズ”の知られざる誕生秘話を描いた本作。ストーリーラインに惹かれ出演を決意したというミシェルは、「現実の世界からファンタジーの世界へとやってきた男が、様々な人々に出会うことでより良い人間に変わってゆくストーリー」と説明する。彼女が演じたのは南の魔女・グリンダ。自らの役柄について、彼女は次のように語っている。
「この映画に最初に登場する時点で、彼女はある予言が実現されることを待ち望んでいたの。その予言とは、偉大な魔法使いが空から降りてきて、邪悪な魔女たちによる暴政からこの国の人々を救い出してくれるというものよ。だからこそ彼女は、オズと出会ったとき、彼という人物に、そして彼がこの国の人々にこれから行なってくれることに大きな期待を寄せるの。でもその後で、彼は期待していた通りの人物ではないという事実を受け入れなければならないのよ」。
その“救世主”とも言うべき存在となるのが、ジェームズ・フランコ演じるオズだ。グリンダとオズの心の絆は、物語の進行に合わせてより強くなり進化していく。グリンダはオズに信頼を寄せる。しかも、実際には信頼するに足りる根拠は何一つないにもかかわらずだ。「彼が下劣で利己的な態度をとっているときでさえもね」とミシェルは言う。「グリンダは生まれつきの楽観主義者だから、目の前には正反対の証拠ばかりが並んでいても、オズの善良さを信じ続けるのよ。そしてその考え方は、物語の最後に彼女が思っていた通りの男に彼が成長を遂げたことで報われるわ。それが見えていなかったのは彼自身だけだったのよ」。そう語るように、グリンダがオズを正しい方向へと導いていく存在となるのだ。
グリンダというキャラクターを作り上げる作業では、数多くのコスチュームやカツラの衣装合わせが行なわれたが、キャラクターをイメージする上でミシェルにとっては娘・マチルダちゃんの存在が大きかったよう。「私たちは、もしかしたらグリンダはショート・ヘアなんじゃないかって考えた時期もあったわ。でも、一人の小さな娘を持つ親として、私は、彼女の様相には、どんな子供も空想して思い描くようなプリンセス像を体現するべきだと思うようになったの」。そうしてミシェルの言うとおり、誰もが子供の頃に思い描いたプリンセスのような可憐な姿の魔法使い・グリンダが誕生した。
それだけ役に情熱を注ぐことができたのは、「とにかく夢のような存在」であるサム・ライミ監督のおかげだと彼女は言う。
「最高の共同作業者ね。会った瞬間から、リハーサルを始めた瞬間から、私に浮かんだアイディアがどんなものであっても、それが良いアイディアでも悪いアイディアでも、心から興奮しながら聞いてくれる雰囲気が彼にはあったの。だからこそ、勇気をもってアイディアを提案し続けることができたわ。彼はとても忍耐強いし、疲れ知らずよ。それに、彼はいつでもベストを尽くし、最高の態度で臨んでいるから、自分もそうしようという気持ちにさせられるわ」。
しかし、ミシェルが現場に向かうことを楽しんでいた理由は、どうやらライミが監督であるだけではないようだ。プロダクション・デザイナーのロバート・ストロングバーグが創り上げたマジカルな世界もその要因だった。
「ロバートと彼の率いるチームが、私たちが演じるためのセットを組み上げてくれたの。そこには黄色のレンガ道もあったし、私のお城はまるでお伽噺のようだった。しかも完璧に仕上げられていたわ。目の前にそれがあったのよ。役者があのセットで快適に演じることができるようにするため、ものすごい努力を注いでくれたのよ。私たちはみんな、黄色いレンガ道のセットの欠片を自宅に持ち帰っているわ」。
ミシェルは最後に本作についてこう締めくくっている。「このマジカルな旅路を通して、あらゆることが可能な別世界にみなさんが連れ去られてくれたら嬉しいわ。最善のことが可能で、人間性の最善の部分が祝福される世界。これは家族全員で楽しむことのできる映画なのよ」。