シネマカフェ的海外ドラマvol.283 アイアンマンも夢中!? 英国ドラマ特集 第2回(cinemacafe.net) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130516-00000010-cine-movi


今月は、アイアンマンことトニー・スタークの運転手兼ボディガード、ハッピー・ホーガンも夢中になっている英国ドラマを大特集! 第2回は、英国ドラマ界を背負って立つ大スター、ベネディクト・カンバーバッチの作品を紹介します。

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ベネディクト・カンバーバッチの代表作と言えば、このコラムでも過去に取り上げてきた「SHERLOCK/シャーロック」。現代のロンドンを舞台に、名探偵シャーロック・ホームズと相棒のジョン・ワトソンが難事件の数々に挑むミステリーとして、日本でも人気が沸騰しました。その「SHERLOCK/シャーロック」で楽しむべきは、何といってもベネディクト演じるシャーロックのキャラクター。偏屈で皮肉屋、けれども頭脳明晰で人並み外れた観察眼を持つシャーロックは、事件を追いかけている時はもちろん、事件が起こらず自宅でまったりしている時ですら目の離せない男! 相棒のジョンを翻弄する様も可笑しく、世界中に存在する熱心な視聴者の声援を受け、「SHERLOCK/シャーロック」は現在シーズン3が制作されている最中です。

ベネディクト・カンバーバッチは昨年12月、出演映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』のプロモーションで来日したことも記憶に新しいところ。風変わりなシャーロック役があまりにもハマっているため、素顔のベネディクトもシャーロックみたいな変わり者かも? の予想に反し、とてもにこやかで、言葉を選んで熱心に喋り、ファンを大切にする姿が印象的でした。自身とシャーロックの違いについて語ってもらう機会があったのですが、「僕自身がシャーロックのような人間だったら大変だと思うし、そうではないけど、彼の気まぐれな性格を演じるのはすごく楽しい。僕自身にとってもセラピーみたいなものだね(笑)」とのこと。ただし、「今まで演じたどの役の中にも僕自身はいると思う。普通じゃない役や極端なキャラクターでも、自分の何かをそこに投影していると言えるんじゃないかな」とも言っていました。

そこで気になるのが、イギリスのテレビ局BBCがアメリカのHBOと共同で制作した「パレーズ・エンド」。フォード・マドックス・フォードの小説を原作に、『恋におちたシェイクスピア』の脚本家トム・ストッパードが製作総指揮と脚本を手掛けた作品で、ベネディクトは20世紀初頭のイギリスに生きる主人公クリストファー・ティージェンスに。英国紳士像を重んじ、男としての義務や古風な考え方にとらわれるクリストファーが奔放な妻と本当に愛する女性の間でもがき苦しむ様を、苦悩する眉間の皺と誠実かつ頑固な佇まいで説得力たっぷりに演じています。レベッカ・ホール(『アイアンマン3』にも出演!)演じる奔放な妻は、結婚生活に嫌気がさして不貞を働くどころか、クリストファーの子ではないかもしれない子供を彼に育てさせるような女性。現代を生きる私たち視聴者だけでなく、古き時代を生きるドラマの登場人物たちでさえも「離婚すべきでは?」と口を揃えますが、クリストファーにとって離婚は望ましくないこと。そんな彼が愛の狭間で戸惑い、第一次世界大戦の荒波にもまれながら、やがて自身の変化と向き合うまでが英国ドラマらしいタッチで描かれていきます。

そんなクリストファーの中にもベネディクト自身の要素が…? という疑問はさておき、「パレーズ・エンド」は各テレビ賞でも注目を集めた秀作。「SHERLOCK/シャーロック」ファンの方もそうでない方も、ぜひ作品世界にどっぷり浸かってみてください。

「SHERLOCK/シャーロック シーズン2」[DVD]
価格:9,975円(税込)

「SHERLOCK/シャーロック シーズン2」[Blu-ray]
価格:12,495円(税込)
発売中
発売/販売元:角川書店
Colin Hutton (C) Hartswood Films 2012

「パレーズ・エンド」は5月22日(水)、23日(木)、24日(金)午後4時よりWOWOWプライムにて放送。