シネマカフェ的海外ドラマvol.284 アイアンマンも夢中!? 英国ドラマ特集 第3回(cinemacafe.net) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130523-00000010-cine-movi


今月は、アイアンマンことトニー・スタークの運転手兼ボディガード、ハッピー・ホーガンも夢中になっている英国ドラマを大特集! 第3回は、昨今の英国ドラマの中でも特にオススメしたい作品の1つ、「刑事ジョン・ルーサー」を紹介します。

強烈なキャラクター、ジョン・ルーサー刑事

2010年の5月にイギリスで放送が始まり、現在はシーズン3のオンエアを控えている「刑事ジョン・ルーサー」。タイトルロールの主人公、ジョン・ルーサー刑事が様々な事件に取り組むサスペンスとして、視聴者をくぎづけにしてきました。英米問わず数多くの刑事ドラマが制作される中、この作品ならではの魅力として真っ先に挙げたいのが、ジョン・ルーサー刑事の強烈なキャラクター。敏腕刑事と呼ぶに相応しい能力を持ち、圧巻の洞察力と抜群の行動力で犯人を追い詰めつつも、あまりに熱心過ぎてルールを無視することも厭わない型破りなジョン・ルーサーを、実力派俳優のイドリス・エルバが演じています。

『マイティ・ソー』『プロメテウス』『ゴーストライダー2』といったハリウッド大作への出演も印象深く、今夏公開の『パシフィック・リム』にも出演しているイドリス・エルバは、ジョン・ルーサーを演じてエミー賞やゴールデン・グローブ賞の主演男優賞にノミネート。逮捕劇の中で命の危機に瀕した連続殺人犯を見殺しにしようとするなど、シーズン1冒頭から早速危ういところを見せつけるジョン・ルーサーの大胆さ、相反する精神的脆さ、そして内に秘めた心の闇を、眼光鋭く、人間的魅力もたっぷりに表現しています。しかも、刑事業に対して熱心にも程がある姿勢がネックとなり、ルーサーとその愛妻は離婚を前提に別居中。連続殺人犯を見殺しにしようとしたことで休職処分を受けてしまう展開も痛々しく、波乱過ぎるほど波乱に満ちたジョン・ルーサーの日常に安息は訪れるのか…。“刑事ジョン・ルーサー”はもちろん、“人間ジョン・ルーサー”からも目が離せません。

そんなジョン・ルーサー刑事の日常をさらに複雑にするのが、ある美しい女性の存在。シーズン1第1話で起きた夫婦殺害事件の第一発見者アリス・モーガンが、ルーサーの人生に関わってきます。13歳で名門大学に入学、18歳で博士号を取得するほど高いIQを持ち、殺害された夫婦の娘でありながらどこか奇妙な態度を見せるアリスを、取り調べにあたったルーサーは事件の真犯人だと確信。しかしながら証拠を一切残さず、完全犯罪をやってのけたアリスと、彼女を逮捕しようとするルーサーのスリリングな攻防が始まります。

アリス・モーガンを演じるルース・ウィルソンは、現在注目度急上昇中の女優。「プリズナーNo.6」や「スモールアイランド」といったTVドラマはもちろん、映画『アンナ・カレーニナ』も記憶に新しく、8月公開の『ローン・レンジャー』ではヒロインを務めています。自分を真犯人だと察知したルーサーの才覚を見抜き、彼自身に興味を示し、友情とも愛情とも言うべき感情を抱き始めるアリスの魅力は、ルースの存在感あってこそ際立つもの。気まぐれで、冷淡で、けれども誰よりもルーサーを理解し、もしかしたら彼の最も近い所にいるかもしれないアリスは、ルーサーにとってどんな存在となっていくのか。刑事と容疑者として出会いながら、奇妙な絆で結ばれる2人の関係の行方にも注目です。

シーズン1は全6話、シーズン2は全4話から成る「刑事ジョン・ルーサー」は、感情を揺さぶられる戦慄の展開、乾いた手触りの映像、ルーサーの複雑な心情を見透かすようなカメラワーク、マッシヴ・アタックの「パラダイス・サーカス」が流れるオープニングから各話ごとに趣向を凝らしたエンディング曲まで、劇中で使用される音楽なども見どころ。英国ドラマを楽しむ上で、ぜひともチェックしておきたい作品です。