え~、ワタクシ、実は5月31日に「アイアンマン3」(5回目)と「オブリビオン」と「グランド・マスター」見まして、6月1日に「リアル~完全なる首長竜の日~」を見てからもう一回「オブリビオン」を見たのでございます。
で、思いました、「リアル~完全なる首長竜の日~」と「オブリビオン」はよく似ている、と。
実は31日に最初に見た時、「アイアンマン3」で興奮しすぎたせいか「オブリビオン」の途中でうっかり寝ちゃって、それでモーガン・フリーマン登場の辺りを見過ごしてしまったんですよね~。一応それでも話は分かったし充分おもしろかったのですが、やっぱり一回連続性が途切れちゃってますからもひとつ盛り上がれない。それで次の日「リアル」を見た時はこっちの方が「オブリビオン」よりおもしろいんじゃね? なんて思ったんですが、きちんと全部見たら「オブリビオン」もやっぱり同じぐらいに面白かったです。
スケール感は予算の違いもあるし「オブリビオン」の方が上なんですが、この二作には共通点が非常に多いのですよ。お話そのものは全然違うんですが、仕掛けが似ているのね。そしてその仕掛けを見破ったところで、それが話の面白さを損なうものではない、という点もね。だってそこから先の展開こそが主眼ですから、両作品とも。
登場人物が少なくって、メインキャラであるトム・クルーズと佐藤健のシーンばかりで進んでいくという点もよく似ております。これがね、この二人の顔って、どれだけ見てても全然飽きないというのがスゴイのね。ハンサムというのもあるんですけど、表情の魅力ですよね。むろんそれは演技力の賜なんですが、天性のカリスマ性ってのも備わってこそなんだと思います。しかも二人とも役柄にぴったりだし。
健君の映画としては、「るろうに剣心」よりもずっと完成度が高い作品だったと思います。こういっちゃあなんですが、「るろ剣」はマンガ原作の枠から外れることができなかった部分があってそこが残念だったのと、音楽に統一感がなかったのが欠点だったのですが、「リアル」にはそういう残念さも欠点もほとんど感じられなかったです。見る人によってはクライマックスに物足りなさや不自然さを感じる場合もあるかもしれませんが、私は設定が設定なのでそれもありだと納得できました。
で、日本映画にしては珍しく、「リアル」はきちんと男女の愛が描かれているんですよね。それも非常に対等に。しかも男性も女性も同様に丁寧に美しく撮影されてます。よくある「美男なんてこんなもん」的な投げやりさがなくて、健君の内面の美しさまで写し取ろうとするかのようにカメラが迫っている感じがよかったですね。それは綾瀬はるかさんに対するアプローチも同様で、大変好感が持てました。
「オブリビオン」も実は深い愛の物語なので、その点も「リアル」に似ているのです。最後の最後で日米の差が如実に現れはするのですが、ロマンチックさは同じです。
とはいうものの、実は「リアル」って、ホラーだったんですね!
あたしゃ原作を読んでなかったので何も知らないまま見たんですが、途中で飛び上がる程恐いシーンが幾つもありましたよ! 恐さの点では「オブリビオン」に軽く勝ってます。
何が一番恐いかって、中谷美紀さんの顔!
あんなに綺麗な顔なのに、どーしてこんなに恐く見えるの?! と、彼女が出てくるたびにびびってましたわ、私。照明のあて方なのかメイクなのか、或いは演技なのか、とにかく彼女の顔の恐さ、不気味さといったら例えようもないぐらい。彼女自身が恐がっているわけでもないのに、何故あんなに恐いのだ?!
「リアル~完全なる首長竜の日~」はロカルノ映画祭への出品が決定してますが、ついでにシッチェス・カタロニア映画祭にも出ればいいんですよ。そしたら中谷美紀さんが女優賞に輝くこと間違いなし。顔出すだけで観客の肝を冷やしてくれるんだから、「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマン並ですってば。
「オブリビオン」でも不気味な顔は出て参りますが、メリッサ・レオのそれより中谷美紀さんの方が上! とにかく綺麗なまま不気味というのが一番恐ろしいわ! アイアンマンスーツのマスクの方がよっぽど人間っぽいかも。
ところで「アイアンマン3」にはトニー・スタークがトレーニングに使っているのか木人が出てくるんですけど、「グランド・マスター」でもトニー・レオン演じる葉門(イップ・マン)が木人相手に稽古しているシーンがあって31日は木人に始まり木人に終わるのか、と見ながら思っておりました。
あ、でも、そうするとトニー・スタークはひょっとして詠春拳の修行をしていたのでしょうか? アイアンマンスーツ着ちゃったらカンフーなんか意味なさそうなもんですけどねえ。