『パイレーツ』監督が新作で目指したもの…CGを使わず、特撮にこだわる!(シネマトゥデイ) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130811-00000002-flix-movi
『パイレーツ・オブ・カリビアン』の3作を手掛け、第4作では制作から離れていたゴア・ヴァービンスキー監督が、“チーム・パイレーツ”に戻ってきた。主演のジョニー・デップ、製作のジェリー・ブラッカイマーと再度組んで放つ新作『ローン・レンジャー』。夏の注目作である本作の舞台裏を、ヴァービンスキー監督が語った。
映画『ローン・レンジャー』フォトギャラリー
開拓時代の米国西部を舞台にした本作で描かれるのは正義のヒーロー、ローン・レンジャーと相棒の悪霊ハンター、トントの冒険物語。『パイレーツ』同様にスケールの大きな冒険活劇だが、ヴァービンスキー監督にとってのチャレンジは、デジタル技術を極力使わないことだった。「カメラに映ったものに誠実であるよう努めた。最近の映画はCGに頼りすぎだからね。例えば、爆破する鉄橋のシーンでは4分の1サイズのミニチュアを作った。ミニチュアとはいえ結構な大きさだ。それを映像に収めるのが、最も苦労したことかな」と振り返る。
頭に鳥の剥製を乗せ、白塗りにしたトントのエキセントリックなルックスについては、演じたジョニー・デップの貢献を認める。「そもそもの始まりは、ジョニーが鳥を頭に乗せている自分の写真を見せてくれたこと。脚本も完成していない時期だったけれど、『これだ!』と思ったよ。写真を見ながら、この鳥がどこから来たのかを僕らは意味付けし、悲しみを宿したピエロのようなトントのキャラクターを創っていったんだ」とのことだ。
悲しみを宿しているとはいえ、トントは『パイレーツ』のジャック・スパロウと同様に、コミカルで二枚目半だ。一見ヒーローらしくないが、これについてヴァービンスキー監督は「かっこいいだけじゃつまらないじゃないか。犯罪絡みのドラマでは悪漢風のキャラクターがヒーローになることが多く、その方が面白い。欠点があればあるほど、ヒーローは魅力的になるんだよ」と説明する。
『パイレーツ』シリーズから離れた後は、自身の撮りたいものにこだわった『ランゴ』でアカデミー長編アニメ賞を受賞したヴァービンスキー監督。次回作が大作になるのか、それとも『ランゴ』のような路線になるのか気になるところだが、「次は小規模の作品になると思う。いくつかプランはあるんだ」とのこと。そして笑って、「まあ、何を撮るにしてもストレンジな映画になるよ」と付け加えた。今後の動向が大いに気になるところだ。(取材・文:相馬学)
映画『ローン・レンジャー』は8月2日より全国公開