「役者が内向きになったら終わり」…斉藤由貴、大役・緒方貞子を演じきった新境地(シネマトゥデイ) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130813-00000001-flix-movi
元国連難民高等弁務官・緒方貞子さんのこれまでの歩みをドラマとドキュメンタリーでつづるNHKスペシャル「緒方貞子 戦争が終わらない この世界で」(8月17日)が放送される。国連の難民救済機関で女性初のトップとして10年間人事を尽くした緒方さんの“人生を決めた重要な場面”を描くドラマパートに主演するのは、来年芸能生活30周年を迎える女優・斉藤由貴。人道支援の歴史を変えたとも言われる偉大な人物に挑んだプレッシャーを斉藤が明かした。
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緒方さんのモノマネをするのではなく、難民のことを第一に思って決断と行動を繰り返してきた彼女の柔らかで温かな部分を表現できる女優として熱烈な出演オファーを受けた斉藤。「正直、大変迷いました。あまりにもハードルが高いのではないかと思いまして」。初めて挑戦した英語のセリフにも不安があったと言うが「ハードルは高いほうがやりがいもありますし、やったほうがいいという勘が働きました」と挑戦を決意した。
プレッシャーは相当なものだったらしく、「緒方さんのたどってきた道を演技で表現するにはリアリティーがないといけません。女優人生の中で経験のない膨大な数の資料に目を通しましたが、この役を演ずるにふさわしいリアリティーを出せるかどうかということがすごく心配でした」と偉大な人物役に臨んだ心境を明した。しかし斉藤は、28歳の結婚後、夫が通っていたアメリカの大学のプライベートスクールで半年間学び身に付けた英語力と持ち前の素養で、緒方さんの人間味を体現することに見事成功している。
大役を演じきった斉藤には、番組で織り交ぜられる緒方さんのインタビュー映像の中でも特に印象に残っている言葉がある。「『内向きは無知ということ』。役者が内向きになってしまうと終わりなんですよね。この役を演じ終えて見えた景色はとても新しいものでした。わたしにとって今までにないような特別なお仕事」と新境地に感慨深げ。また、「わたしの本分は『母親』ですが、そこがブレなければ柔軟な気持ちを持ってこれからもお仕事していきたい」と瞳を輝かせた。
ドラマの一部は、映画『アイアンマン』(2008)でも使用されたハリウッドのオープンセットで撮影されている。番組制作に1年以上を費やし、“小さな巨人”と称えられる緒方さんの人生を壮大なスケールで描いている。(編集部・小松芙未)
NHKスペシャル「緒方貞子 戦争が終わらない この世界で」は8月17日午後9時からNHK総合で放送