女の子は負けない…映画館のない国サウジアラビア発『少女は自転車にのって』(cinemacafe.net) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131004-00000009-cine-movi


10月11日(金)は、国連が定めた“国際ガールズデー”。世界中の人々が“女の子の権利”を認識し、女の子のエンパワーメントを促すために制定された。世界では、女の子であるというだけで、学校へ行くことも許されず、早くに結婚させられたり、働かされたりと差別を受け、自分の人生を選択することができないことがある。そんな過酷な状況の中でも希望を失わず、がんばる10歳の少女を主人公にしたサウジアラビア映画
『少女は自転車にのって』が公開されることになった。

サウジアラビア発『少女は自転車にのって』

本作の主人公である10歳の少女・ワジダは「女の子だから…」という理由でお母さんから自転車を買ってもらえない。ある日、綺麗な緑色の自転車を目にしたワジダは、どうしても欲しくなる。いろいろなアルバイトをするも、代金の800リヤドには、とうてい届かない。学校でコーランの暗唱コンテストが行われることになり、優勝賞金は1,000リヤド。大の苦手なコーランだが、迷うことなく立候補し、必死にコーランを覚えて練習する――。

本作は、サウジアラビア初の女性監督で“ヴァラエティ誌が選ぶ注目すべき監督10人”にも選ばれたハイファ・アル=マンスールのデビュー作。イスラム社会に生きる少女の姿を通して未来への希望を描き、ヴェネチア映画祭やロッテルダム映画祭など世界の映画祭で絶賛された感動作だ。また、2014年米アカデミー賞・外国語映画賞のサウジアラビア代表に選ばれたのも話題になっている。

宗教的な戒律が厳しいため、サウジアラビアでは映画館の設置が法律で禁じられ、女性の車の運転、一人旅、結婚式以外の集会などが制約されている。また、女性には選挙権もなく、女性の就業率は10%に過ぎない。

そんなサウジアラビア初の女性監督が、イスラム社会で夢に向かって邁進する少女の生きざまを描き、“女の子の権利”を真摯に見つめる本作。“国際ガールズデー”とともに、“女の子の権利”について考えるきっかけとなるだろう。

『少女は自転車にのって』は12月4日(水)より岩波ホールほか全にて公開。