映画界“ゼロvsゼロ”大活況! 零戦とシャトルで相乗効果抜群(夕刊フジ) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131227-00000019-ykf-movi

正月映画興行が“ゼロvsゼロ”で盛り上がっている。洋画の「ゼロ・グラビティ」(アルフォンソ・キュアロン監督)と邦画の「永遠の0」(山崎貴監督)がともに好調な興行ぶりで、映画館がにぎわっているのだ。

 先に封切られたのは「ゼロ・グラビティ」。米オスカー女優サンドラ・ブロック(49)主演で、スペースシャトルからほうり出された宇宙飛行士2人が生還 をめざすサバイバル劇だ。初日の13日から3日間で興行収入約3億7000万円の好スタート。世界興収では6億5000万ドル(約650億円)を突破する メガヒットだ。

 「永遠の0」は21日に公開。人気作家、百田尚樹氏の同名大ベストセラーを原作に、V6の岡田准一(33)が演じる、「家族の元へ必ず帰る」と約束しな がらも戦死した零戦パイロットの真実を描く人間ドラマ。公開3日間で興収約7億8000万円で、配給の東宝によると、最終興収見込み60億円の大ヒット発 進となり、国内の興収では「ゼロ・グラビティ」をリードしている。

 戦争映画、ハリウッド事情に詳しい映画ライターの吉田武氏は2本の好勝負が「日本の映画興行にプラスに作用する」と予測しつつ、2作品の見どころをこう解説する。

 「『ゼロ・グラビティ』は、生還を懸けて奮闘する宇宙飛行士を見て、息継ぎナシで水泳しているように錯覚させるすごい映像。全米では『映画館の巨大スク リーンで体感する作品』と批評家筋が絶賛で、日本でも同様。観客からも『映画館で見るべき素晴らしい映像体験』と口コミで評判が広がっている」

 「『永遠の0』は、日本人の持つ、捨て身を覚悟した闘争本能、戦争が残した悲惨さを表現した人間ドラマと、得意なVFX技術を駆使した戦闘シーンを山崎監督がうまく重ね合わせた」

 さらに、この夏大ヒットした宮崎駿監督の「風立ちぬ」も、「零戦を作る過程を描きながら戦闘シーンは一切なかったものの、零戦や関わる人々へ関心を引いた」と、好影響があったとみる。

 映画興行では、「大ヒットがあると映画への関心が増し、連動して他の作品も成績が伸びる」のが常識。「2つの作品が競う相乗効果で、この冬は例年以上に映画館へ足を向ける人が増えそうだ」とベテラン映画宣伝マンは分析している。

 さらに「永遠の0」のヒットには、「かつて、1980年代初頭までに数多く作られた戦争映画が復権する兆しを感じる。家族愛も盛り込んだ作品なら、いい意味で敷居が低く心に響く」(吉田氏)と、意外な波及効果もありそうだ。

 「ゼロ・グラビティ」にも、しばらく大ヒットがなかった洋画の巻き返しがかかる。零戦とスペースシャトルが、低空飛行だった日本の映画興行を急上昇させている。