ヒュー・ジャックマンが主演サスペンス「プリズナーズ」を語る(映画.com) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140503-00000005-eiga-movi


幼女の失踪事件を追う父親と刑事の姿を緊迫感たっぷりに描いたサスペンス「プリズナーズ」(公開中)に主演し、真相を突き止めようとモラルの一線を超える父親役を演じたヒュー・ジャックマンが語った。

 ある田舎町で感謝祭に起こった事件をきっかけに、出口の見えない不安の中に落とし込まれていく家族と、事件を追う敏腕刑事(ジェイク・ギレンホール)の苦悩を描く同作を、ジャックマンは「すごく気に入った。この役をもらった時に、とても重い題材だと思った」と振り返る。

 「スリリングなサスペンスだけど、考えさせられる映画だと思う。親なら、あの状況でどう行動すべきか考えるね」と語るジャックマンが演じたのは、証拠不十分で釈放された第一容疑者アレックス(ポール・ダノ)を真犯人と確信し、娘の居所を聞き出そうと拉致、拷問する父親ケラー。娘を愛するが余りに狂気に駆られ、暴力に訴えていくさまは、これまでのジャックマンのクリーンなイメージを覆す凄惨さを見せる。

 「やり切れたのはポールのおかげだ」とジャックマンは言う。「ポールは自分の役を平凡に見せつつ、すごく複雑で興味深いキャラにした。観客も、僕が演じるケラーも“何か手がかりはないか?”と常にポールの目を見つめてしまう。彼は最高だよ」と絶賛する。そして、「監督は常に僕を駆り立てた」と、今作でハリウッドデビューを飾ったカナダの鬼才、ドゥニ・ビルヌーブ監督の存在が重要だったことを明かす。

 2010年の前作「灼熱の魂」で、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた経験を持つビルヌーブ監督を、ジャックマンは「(本作にとって)理想の監督だと思う」と断言する。「この作品には、恐怖映画にも近いサスペンスが満ちていている。次に何が起こるか予測できないし、誘拐犯はいったい誰なのかとすごく気になって、物語にどんどん入り込んでいくんだ。そして、見終わった後にも『自分ならどうする?』と自問させられる作品になっている。それは、ドゥニが好きなグレーゾーンだ。彼は、登場人物が善と悪の間で悩む複雑な展開が好きだから、本作に最適だったんだよ」。

 愛する家族を持つ者なら、誰もが自分に当てはめずにはいられないストーリーに、実際に父でもあるジャックマンは「演じていて辛かったよ」と話す。役作りのためには、「幸せな結末を迎えられた家族がいれば、不幸な結果に終わった家族もいた」実際の事件のリサーチを行い、「僕は、俳優としてこの話を伝える責任を感じた。実際に経験した人に配慮しながら、真実を伝える責任があるとね。残念だけど、今でもこういった事件は実際に起きている。だから真剣に取り組む必要があったんだ」と決意したという。そして、「大変だったがやり遂げたよ」と、その思いが達成されたことを明かした。