「猿の手」という有名な短編小説があります。
今でいうならホラーに分類されるのでしょう。書かれた年代にそうと古式ゆかしく「怪奇小説」ということになるみたいですが、「こわい」というより「おそろしさが心にじわじわしのびよってくる」類のお話ですね。あらすじを知りたい方はこちら(Wiki)。
ま、簡単に言うなら、「願い事が自分の予期しなかった形でかなってしまう(結果、困る)」というお話なのですが、ワタクシ今日スマホに液晶保護フィルムを貼っていて、しみじみこの作品を思い出しました。
実はスマホに保護フィルムを貼るのは二度目なのです。
最初の時、同梱されてたフィルムをよく説明書も読まないまま適当に貼ってしまったため間違えて、やり直すために無理矢理一旦剥がしたらそこに折り目がついちゃったんですよね。で、折れた端が上向きのままのためその部分が液晶に密着していず微妙に浮き上がっていて、いずれそこから剥がれるんじゃないかという危険性と見苦しさをはらんでいたため、いつかこの保護フィルムを貼り直したいなあと常々思っていたのです。
そう、だから、二度目に保護フィルムを貼っているということは、その「いつかこの保護フィルムを貼り直したい」という私の願いがかなえられた、ということなのですね。
で、このささやかな願いをかなえるために私が払った代償が、スマホ本体の故障及び1ヶ月近くに及ぶ修理期間だったわけですよ。実際は修理ができずに本体交換でしたが(だったらもっと早く戻って来いやあ!)。
ちなみに液晶保護フィルムは別売だと300円。
その300円のフィルムをすぐに買わず「いつか……」なんて思ったばっかりに、あたしゃバンクーバーまではるばる持ってったスマホを二日目に現地で壊されて(6月10日)、日本に帰ってから修理に出して(6月17日)、完了したと電話連絡受けて(7月11日)引き取りに行くまで(7月12日)のあいだ、使えもしないスマホのために料金払い続けてたってわけですかい?! 今書き出してみたら丸々1ヶ月分じゃない!
まあ、たいした金額じゃあないんですが。
それでも手元にさえなかったスマホのために払うのかと思うとこみあげるこの悔しさ(←ケチ)。
スマホは新品になったとはいえ……購入の日付を見ると4月9日なので壊れた時点でも2ヶ月しか使ってなかったんですが……。全く、購入してからの3ヶ月の内、まるまる1ヶ月使ってないって、どうなのよ……(←ちょっと気が遠くなってる)。
しかも、当然ながら2ヶ月かけて前のスマホに覚え込ませたURLやらパスワードやら、新しい子は何一つ知らないわけだしね……はああああ、また一から打ち込みかよ……(←これが一番憂鬱)。
とりあえず新しいスマホを動けるようにして、一息ついたところで液晶保護フィルムを貼りながらふと「そういえばいつかこのフィルムを貼り替えたいと思っていたんだよな……。あれ? 今、まさに、願いがかなってる???」と思い、そこで「猿の手」を思いだした次第です。
今度から300円ぐらいでかなっちゃう願いなら「いつか……」なんて思わず自分で「今すぐ」実行することにしよう。そうしよう。
猿の手はなくても願いはかなうこともありますが、迂闊な願い事はしない方がよろしいです。