「トランスフォーマー/ロストエイジ」(公式サイト )
トランスフォーマー、怪獣じゃないですが、破壊の程度は怪獣映画の比じゃないです。先日見た「GODZILLA」のゴジラが可愛く見えます。この「トランスフォーマー」に出てくる一部の人間達よりよっぽど人間的だわよ。
何と申しましょうかね、「パシフィック・リム」でもそりゃ破壊の爪痕はスゴかったもんですが、破壊している最中の描写というのは主にイエーガーがカイジューをやっつけてる際のものですから、一応「人類を救うため」という大義名分がそこにはあるんですよ。だから見てる方は手に汗を握りつつもどこか安心感がある。自分達は守られている側だというね。
「ゴジラ」になると、今度は人間に太刀打ちできない「天災」というか「自然災害」的要素が加わるので、国土が蹂躙されても「まーしょーがないかー」というあきらめにも似た感覚がどこかにあったりします。ゴジラ、そもそも話の通じない相手だし。
ところが「トランスフォーマー/ロストエイジ」になると、もうね、人類、超ロボット生命体同士の戦いの巻き添えになってバタバタ死んでくだけですから。同じ言葉を喋っていてるのに、話も心も通じないヤツラ(人間も含む)に踏みにじられるだけなんですよね。これはもう、感情移入せずに破壊行為だけを楽しむための映画と言っても過言ではありません。そうやって見る分には、最高に楽しいですけどね。
見終わったあと、何にも覚えてないし。
さっき私、公式サイトをリンクするためにページ開いてトップページの予告見て、「あ、そういえばスタンリー・トゥッチ、出てたんだっけ」と初めて思い出したぐらいですから。夕べ見たばっかりなのにも関わらず。しかも映画の中のスタンリーはなかなか良い役で応援しながら見てたのにさ。
というわけで、暑い夏やら愚図つく台風やらにイライラしている時、頭空っぽにして楽しむのには「トランスフォーマー/ロストエイジ」、もってこいの映画と言えましょう。自分の中にわだかまるイケナイ破壊衝動をこの作品を見ることで一挙に解消できるかもしれません。まあ、マイケル・ベイってば、こういう映画撮るのにピッタリな監督だわよ。
ストーリーはともかく(どうせあってもなくてもいいようなもんなんだから)、映像はスゴイですよ! 破壊シーンとかアクションの見せ方とか、そして何よりトランスフォーマー達の撮り方、マイケル・ベイはこれで超一流なんだとしみじみ思いましたよ。この見せ方の上手さはやっぱり「GODZILLA」以上ですね。香港のシークエンスが特に素晴らしいので、これだけは何をおいても見て頂きたいと思います。スタンリー・トゥッチがコミカルな味を最大限発揮して活躍してるのもこの場面。彼がいてくれて本当によかった。
スタンリーがそうであるように、ストーリーの物足りなさは役者が充分補ってくれております。一目でどういう役割が分かるキャラクターが申し分なく配置されているので、話の全体像が見えなくても「ここは親子の愛。ここは悪者達の悪だくみ。ここはカップルの愛。ここはコミックリリーフ」と場面場面で何が行われているかはきっちり分かるので問題ないかと。はい、マーク・ウォールバーグの起用は大成功でした。熱血パパ、可愛いです。そして何より、彼は銃を構えた姿が様になるのですよ。さりげなく目立たせている二の腕の太さがセクシーです。
トランスフォーマー達は色分けで判別がつくようになっています(名前はバンブルビーとオプティマスとハウンドぐらいしか分からなかったわ)。昔のアニメが好きだった人にはたまらないキャラも出てきます♪ あ、「GODZILLA」に引き続き渡辺謙さんが出演されています。声だけなんですけどね。渋くてよかったわ♪
この夏、誰かを殴りたくなったら、そこはガマンして「トランスフォーマー/ロストエイジ」を見にいっちゃいましょう。自分の代わりに超ロボット生命体達が完膚無きまでにあちこち破壊してくれます。絶対スカッとするってば!