「ケープタウン」主演、オーランド・ブルーム



@Yomiuri_Onlineさんから




公開中の「ケープタウン」(ジェローム・サル監督)は南アフリカ・ケープタウンが舞台の犯罪サスペンス。


 「ロード・オブ・ザ・リング」「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなどで人気のオーランド・ブルーム=写真=が、「大統領の執事の涙」などの名優フォレスト・ウィテカーと、都市の深い闇にのみこまれていく刑事コンビを演じている。

 「この映画では、都市がもう一つの重要なキャラクターになっている」とブルーム。撮影は約2か月間にわたって南アで行われたが、その地の文化をより深く知るために、クランクイン6週間前にケープタウンに入ったという。



 その時、共に行動していたのは2009年末まで警察官だったガードマン。彼から、退職前の1年間だけでもおびただしい数の警察官が命を落とし、うち半数が自殺だったと聞いた。「つまり、現地の警察官は厳しい日常を送っている」

 そうした現実を、今回演じた刑事ブライアンのキャラクターづくりに投影させていった。正義を信じているが、酒びたりで女にもだらしがない。これまで演じた役と比べてかなりやさぐれた人物だ。「でも、それは困難な日常、プレッシャーやストレスと折り合いをつけるため。人は完璧じゃなくたっていい。ダメ男であっても人間としての価値はある」。酒などに逃げているという要素は脚本には書かれていなかったが、監督と話し合いながら加えていった。「多分、今まで出演した映画の中でも、最も創作的に実り多い経験ができた作品の一つ。何ものにも縛られることなく、求めるものを追求できた」と明かす。


 そもそも、出演を決めたのは、「このキャラクターを通じて、何か新しいことに挑戦できる可能性を感じたから」という。「自分の発想を自由にはばたかせて、より深く、実験的に、役に没入した。これまでにない経験だったから、恐ろしくもあったけれど、本当にわくわくした」と楽しそうに振り返る。


 「これからも、素晴らしい役を演じるチャンスをつかまえていきたい。そして、どんな作品に対してもオープンでいようと思っている。『自分はこういうことしかやらない』なんて決めてしまって、自らの可能性を狭めてしまうほどばからしいことはないと思うから」