【シネマカフェ的海外ドラマvol.319】ドラマ俳優の“映画な顔”vol.1/「ダウントン・アビー」(cinemacafe.net) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141112-00000011-cine-movi
いつも見せてくれる顔とは違う意外な顔に、人はドキッとさせられ、ときめいてしまうもの。そこで、今回からは新作映画で新境地を見せている海外ドラマスターをピックアップ。あのキャラクターを演じていた彼が、まさかそんな役を演じるとは!? ドラマに、映画に、俳優としての力量を惜しみなく発揮している彼らの活躍共々、チェックしていきましょう。
<映像/ダン・スティーヴンス出演・映画『ザ・ゲスト』予告編>
1人目は、英国ドラマ「ダウントン・アビー」のマシューことダン・スティーヴンス。20世紀初頭のイギリスを舞台に、由緒正しい伯爵一家と彼らに仕える使用人たちの悲喜こもごもを描く「ダウントン・アビー」は、いまや世界中で大人気のシリーズとなりました。
その中でダンが演じているマシューは、伯爵一家の遠い親戚にあたる青年。女性は家督を継げないという当時の決まり事のせいで、娘ばかり3人に恵まれた伯爵夫妻はマシューを後継者として迎えることになります。けれど、もちろん伯爵一家としては遠い親戚などに家督を譲りたいはずもなく、そこで考え出したのが一家の長女・メアリーとマシューを結婚させること! そうすれば、伯爵夫妻にとっても可愛い娘が跡取り同然となるわけで、2人が結婚してくれればみんなハッピーになれるのですが…。
伯爵一家の遠い親戚とは言え、自身は中産階級の弁護士として質素な暮らしを送ってきたマシューと、貴族のプライドと共に人生を歩んできたメアリー。そんな2人が心と心のすれ違いを繰り返し、戦争という歴史の波に翻弄されながら、「高慢と偏見」(※ジェーン・オースティンの長編小説)ばりのロマンスを繰り広げる展開は「ダウントン・アビー」の注目ポイントとなりました。
貴族の生活に興味を持てないながらも、芽生え始めるメアリーへの恋心と向き合いながら、一家と運命を共にしていくマシューは人気キャラクターへと成長。それに伴い、ダン・スティーヴンス自身の注目度も急上昇し、薄いブルーの瞳に魅せられる女性が続出しました。
そんなダンが英国貴族の世界から飛び出し、大胆な方向転換を見せている映画が『ザ・ゲスト』。アメリカの田舎町を舞台にしたこの作品で、ダンは戦場から帰還した米軍兵・デイヴィッドを演じています。映画開始早々、デイヴィッドは亡き戦友の最期の言葉を伝えるべく、戦友の家族が暮らす家を訪問。礼儀正しく、笑顔も素敵で、カリスマ的魅力たっぷりのデイヴィッドは当然のように一家に溶け込んでいきますが、次第に思いも寄らない真実が明らかになり…。
英国青年から米軍兵へ、誠実で正義感あふれるマシューからどこか危険な香りのするセクシーなデイヴィッドへ。ダンの衝撃的変身こそに製作陣の意図があるようで、脚本を手がけたサイモン・バレットは「マシューを演じるダンしか知らなかったら、筋骨隆々で、背筋が凍るほど熟練した元アメリカ人兵士に扮した彼を見て衝撃を受けるだろうね」とコメント。ダン自身も、マシューのイメージを打ち砕く新しい役を探していたことを認めます。
そんな彼にとって、デイヴィッドは「僕が演じるだろうと人々が思っているものよりはるかにダークな役。挑戦するのは楽しかったよ」とのこと。ジムでのトレーニング、格闘技や射撃の特訓はもちろん、南部訛りのアメリカ英語習得にも余念がなかったそうで、役作りの成果は映画の中のデイヴィッドを見れば一目瞭然です。柔らかな物腰でロマンスに身悶えるマシューか、鋭いナイフのような存在と化してスリルをまき散らすデイヴィッドか、どちらも素敵なのは確か。マシューの意外な一面、いいえダン・スティーヴンスの幅広い演技力にドキッとさせられるはずです。
『ザ・ゲスト』はシネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開中。